JSPS東アジア若手研究者招聘事業の成果報告会 ベトナムで実施

 

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成果報告の様子(KEK計算科学センター村上晃一助教)

12月12日(月)〜17日(土)の6日間にわたり、ベトナム科学アカデミー(ベトナム・クイニヨン市)で第3回LHC物理スクール(The third school on physics at the LHC)が開催され、KEKから講師を派遣しました。また、同スクールの会期中に、JSPS東アジア若手研究者招聘事業の成果報告会も合わせて実施しました。

「JSPS東アジア若手研究者招聘事業」は、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)が、次世代を担う若手研究者の交流を通じて、アジア諸国を中心とした地域協力の実現を目指して実施している事業です。KEKは、2009~10年および2011年の採択課題「高エネルギー量子ビーム実験における新しい実験手法の開発」の受入れ機関を務めており、これまでに、この事業で延べ26人の研究者および大学院生を、ベトナムをはじめとするアジア諸国からKEKに招聘し、共同研究を進めてきました。

今回のスクールは、同事業を通じてKEKに招聘された多くの学生や、ベトナム側の共同研究代表者も参加していることから、成果報告会の場として選ばれたものです。成果報告会では、過去2回にわたって行われた同事業に関する評価と、今後の共同研究について議論が行われました。

ベトナム側の代表者である、ハノイ国家大学のNguyen Anh Ky氏からは、同事業を通じて、ベトナム人学生が博士号を取得した例や総合研究大学院大学への留学が実現した例等、ベトナムにおける同事業の成果が紹介されました。また、日本側代表のKEKの野崎光昭教授から、日本側の準備状況について説明があり、今後も日越間の協力関係を発展させていくことで一致しました。

LHC物理スクールは、理論物理研究が中心であったベトナムの物理研究をさらに発展させるために、高エネルギー物理の実験物理学者を育成することが重要との観点から、ベトナムの研究機関とフランス国立科学研究センター(CNRS)との協力によって開始されました。KEKは、2009年1月にハノイで開催された第1回スクールより継続して講師を派遣しています。今回のスクールでは、Bファクトリーの物理と計算科学について講義を行いました。

野崎氏は「今回のスクールは、ベトナムの学生にKEKを紹介する良い機会にもなりました。ベトナムの研究者との共同研究により日本での研究も更に発展します」として、研究パートナーとしてのベトナムの重要性を述べました。KEKでは、今後もベトナムとの協力関係を深め、実習等を含めたより内容の充実したスクールを開催していくことを計画しています。

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第3回LHCスクールの参加者たち

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