KEKキャラバン、5月は広島と岩手に派遣

 

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。5月は広島と岩手で実施しました。


講演中の素粒子原子核研究所 橋本省二教授

5月10日(木)、広島大学附属高等学校で1~2年生240名を対象に「真空と宇宙3つの謎」と題する講演を行いました。

講演では、素粒子と宇宙の理解はどこまで進んだのか、物理学者はこれから何を調べようとしているのかを説明しました。最先端の素粒子と宇宙物理学によると、真空は何もない空間ではなく、様々なものがたくさん詰まっているとされていることを解説。そして、現代の物理学ではまだわからないことも数多く残されていることを説明しました。

講演後のアンケートでは、「宇宙の話から素粒子の話になり、つながらないとおもっていたところが実は関係しているというのが意外でした」「真空は何もない訳ではないのにとても驚き、不思議に思った」「これだけ技術が進んでいる現代でも宇宙について解明をされている部分はとても少ないことにおどろいた」といった感想がありました。


講演中の加速器研究施設 横谷馨氏

5月29日(火)には、岩手県一関市の一関市立大原公民館で、一関市民ら120名を対象に、「国際リニアコライダー(ILC)構想」と題する講演を行いました。

講演では、ILC は物質の根源や宇宙誕生の謎に迫るのが目的であると解説。ILCはどのような施設になるのか、世界にはほかにどのような加速器があるのかなどを紹介しました。また、欧州の欧州合同原子核研究機関(CERN)にある大型ハドロンコライダー(LHC)で物質の重さ(質量)の素になるヒッグス粒子が年内にも発見されることにも触れ、「その研究を深めるにはILC が不可欠だ」と説明しました。

岩手県はILC の国内候補地のひとつである北上山地を有しており、参加者からは「東北の復興の象徴として実現の気運が高まったことと思います」といった感想が寄せられました。講演したKEKの横谷氏は「地元の熱意に私のほうが圧倒される気持ちでした。ぜひILCを実現しなければと思いました」と語りました。

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