第1回アジア高エネルギー委員会会合、メルボルンで開催

 


7月7日、オーストラリアのメルボルンにて「第1回アジア高エネルギー委員会会合」が開催された。オーストラリア、中国、インド、日本、韓国、台湾、米国の7カ国/地域から17人の高エネルギー物理・素粒子物理分野の研究機関や大学等の代表者らが参加。高エネルギー物理および素粒子物理研究活動について情報共有・議論するための委員会を新設し、意見交換を行った。

現在、高エネルギー物理・素粒子物理研究は、その多くの研究プロジェクトが国際協力で推進されている。そのため、各国の研究推進計画や予算等に関する情報共有等が必要とされており、国際的な活動は将来加速器国際委員会(ICFA)、地域的な活動はヨーロッパ将来加速器委員会(ECFA)等の組織が中心となって、加速器実験、放射光実験等の分野における研究活動について包括的な議論が行われている。

アジアでは、アジア将来加速器委員会(ACFA)が、加速器研究開発、加速器実験、放射光実験等の加速器科学分野を包含しているが、高エネルギー物理・素粒子物理の研究活動は主に各国個別に実施されており、また研究資金もそれぞれの国の政府・出資機関により個々に出資されているため、共通の研究戦略を策定することは困難になっている。

今回の会議では、アジア太平洋地域における高エネルギー物理・素粒子物理研究の包括的な議論を行うための母体が必要であるという認識に基づき、委員会の新設とその運営、体制、役割等について当該地域の各研究機関の代表者らによる意見交換が行われた。

今回の会議開催を呼びかけた、野崎光昭KEK教授は「将来的には、世界にアジアの声を届ける役割を担う組織となることを期待しています」と述べている。

次回会合は2013年2月にブドカ原子核研究所(BINP)(ロシア・ノボシビルスク)で開催される予定だ。

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