アジアサイエンスキャンプ2012、イスラエルで開催

 


「スピードデート」方式で、全員と数分間ずつ自己紹介し合うキャンプ参加者

8月25日(土)から30日(木)までの6日間、エルサレム・ヘブライ大学(イスラエル)で第6回アジアサイエンスキャンプ(ASC2012)が開催されました。

アジアサイエンスキャンプはノーベル賞学者や世界のトップレベルの研究者による講演、講演者がリードするディスカッションセッションなどにより、アジアからの参加学生が直接科学の面白さを体験し、また学生同士の交流を深める場です。アジア太平洋地域の20を超える国・地域から約250名の高校生、大学生が参加。日本からは19名が参加しました。

講師には5名のノーベル賞受賞者を含む28名の優れた科学者を迎え、参加者はプレナリーセッションやラウンドテーブル、研究者との対談、ポスターコンテストなど幅広いメニューをこなしました。ノーベル賞受賞者の参加するセッションも用意され、参加学生たちは一流の科学者を相手に活発な議論を行いました。

同キャンプの講義には、ノーベル賞受賞者が次々と登場しました。開会の挨拶に引き続き、ノーベル賞受賞者たちによるプレナリーセッションが行なわれました。李遠哲氏(1986年化学賞)が化学反応の研究に関して、またロバート・J・オーマン氏(2005年経済学賞)が「戦争と平和」に関して、さらにアーロン・チカノーバー氏(2004年化学賞)が創薬と生物医学研究に関する講義をそれぞれ行いました。そして、最終日のプレナリーセッションでは、米国のロジャー・コーンバーグ氏がヒト疾患の撲滅について、小林誠KEK特別栄誉教授(2008年物理学賞)が素粒子物理の発展について講義を行いました。

また、1994年のノーベル平和賞受賞者でもある、シモン・ペレス イスラエル大統領も、未来の科学者たちに向けて特別講演を行いました。


開会挨拶をする李遠哲博士


講演中の小林誠 KEK特別栄誉教授

本キャンプのメインイベントは、最終日に行われたポスターコンテストでした。国籍の異なる6~8人から構成された28チームが工夫を凝らしたポスターを作成し、プレゼンテーションを行いました。学生たちは、発表するトピックスの選択や発表方法等を、キャンプ開始の1ヶ月前から電子メールを通じて決定し準備を進めていました。「ポスター」といっても従来の紙版ポスターではなく、完成した作品はデジタル版。全てモニターへと映し出されました。


参加者が制作したデジタルポスター


日本からは19名が参加

アジアサイエンスキャンプは、2005年のリンダウ会議の際、李遠哲氏(1986年化学賞)と小柴昌俊氏(2002年物理学賞)との間で、アジアの若者のためにトップレベルの学者と若い学生の交流プログラムをはじめたいと意見がまとまり、発足されたものです。これまで、台北(2007年)、バリ島(2008年)、つくば(2009年)、ムンバイ(2010年)、テジョン(2011年)で開催されました。 次回の2013年サイエンスキャンプは、日本で開催される予定です。

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