黒川眞一KEK名誉教授、中華人民共和国友誼賞を受賞

 

黒川眞一KEK名誉教授が、「2012年度中華人民共和国友誼賞」を受賞しました。9月28日(金)人民大会堂で授賞式が行われ、受賞者に友誼賞金メダルと表彰盾が授与されました。また9月29日(土)には、温家宝首相との接見の後、人民大会堂で執り行われた第63回国慶節の国家晩餐会に招待されました。

この賞は中国政府が外国人専門家に授与する最高栄誉賞で、中国の社会発展、経済、技術、教育、文化等の分野において目覚ましい貢献のあった外国人50名に毎年贈られています。今年は、黒川氏を含む4名の日本人が受賞しました。黒川氏が長期にわたって発揮した日中の学術および技術協力におけるリーダーシップが高く評価されたものです。

黒川氏はこれまでに、アジア地域将来加速器委員会(ACFA)委員長、国際リニアコライダー(直線衝突型加速器)運営委員会(ILCSC)委員長などを歴任し、日中間およびアジア地域における加速器科学研究における協力関係構築に尽力して来ました。これまでの訪中回数は60回を数えます。

1999年には、北京で開催された初の大規模アジア加速器スクールの実施委員長を務め、スクールを成功に導きました。2000年には、10年間継続した中国との拠点大学方式共同研究をスタートさせ、北京の高能物理学研究所や上海放射光施設などとの共同研究を進めました。このプロジェクトの後半には韓国やインドを交え、日本とアジアとの学術交流に大きく貢献しました。

更に黒川氏は、IHEPの電子陽電子衝突型加速器に、KEKB加速器の超伝導加速器技術を移転し、中国の超伝導加速器技術の向上に貢献。また、それまで米・欧・アジアの三地域で独立に開催されていた3つの地域加速器国際会議「PAC」「EPAC」「APAC」をひとつの国際会議「IPAC」としてまとめることに尽力し、2010年、初の合同会議となるIPAC'10の京都での開催を成功に導きました。

黒川氏にとっては、今年1月の中国科学院国際科技合作賞に続く、中国からの表彰になります。

今回の受賞について黒川氏は「この時期に、中国政府からこのような賞をいただいたことは感慨深いものがあります。私たち科学者は、今後とも、日中協力を進める責務があります。私は、これまでに築いてきた協力関係の基礎の上に、両国の協力関係はさらに発展と進化をとげると確信しております」と述べました。

TOP