ひらめき☆ときめきサイエンス開催
素粒子物理学の最先端 - 研究を支える検出器を見よう!触れよう!作ってみよう!

 


施設見学の様子

10月21日(日)、高エネルギー加速器研究機構においてひらめき☆ときめきサイエンス「素粒子物理学の最先端 -研究を支える検出器を見よう!触れよう!作ってみよう!」が開催され、7名の中学生とその保護者等 計15名が参加しました。

ひらめき☆ときめきサイエンスは日本学術振興機構(JSPS)が推進するプログラムで、科研費と呼ばれる研究補助金によって行われた大学や研究機関での先駆的な研究成果を、小中高生に伝え、また、科学の面白さを実感できる機会を設けることを目的とする体験型プログラムです。

樋口岳雄氏(KEK 素粒子原子核研究所 助教)から、科研費によって研究された研究の概要説明と、素粒子物理学に関する講義が行われました。2008年の小林誠・益川敏英博士のノーベル物理学賞に貢献したBelle実験によるCP対称性の破れの発見等、Belle実験の挙げた研究成果について分かりやすく紹介するとともに、自身の研究生活をユーモアたっぷりに紹介していました。さらに、2015年度から始まるBelle II実験で期待される研究成果についても触れていました。

午後には施設見学が行われ、Belle測定器からBelle II測定器への高度化作業を間近で見学しました。展示室ではBelle測定器の際に使われていたシリコンバーテックス検出器をはじめ様々な検出器を見たり触れたりする機会が設けられました。

施設見学後には田中秀治氏(KEK 素粒子原子核研究所 准教授)による粒子検出器の製作実習が行われました。実習では、複数のワイヤーを使って素粒子を捉えることの出来るワイヤーチェンバー検出器を製作しました。ワイヤーチェンバーを発明したG.シャルパック博士は1992年にノーベル物理学賞を受賞しており、参加者はノーベル物理学賞に繋がった検出器の製作を体験したことになります。
ハンダ付け作業など慣れない作業が多くありましたが、田中氏はじめティーチングアシスタントとして参加した大学院生の指導もあり、参加者全員がワイヤーチェンバーを製作することが出来ました。


ワイヤーチェンバーの実習の様子


集合写真

今回は出来たワイヤーチェンバーを使って、宇宙から降り注ぐ素粒子の一種、宇宙線を信号として捉えることに挑戦しました。最初はノイズが多く信号を上手く捉えられなかったものの、原因を探りながら信号を捉えられるように工夫していく様は、実際の研究現場さながらでした。

プログラムでは、最後に参加者に「未来の博士号」が手渡され閉会となりました。

今回の経験により、参加者が素粒子物理学により一層の興味・関心を持ってくれることを期待します。

関連サイト

日本学術振興会 ひらめきときめきサイエンス

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