KEKキャラバン、1月は佐賀、岩手、埼玉、青森に派遣

 

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣する事業「KEKキャラバン」を行っています。1月は佐賀、岩手、埼玉、青森で実施しました。


講演中の野崎光昭 教授

1月18日(金)、佐賀県佐賀市の佐賀県立生涯学習センターで「国際リニアコライダーが拓く地平〜宇宙の創成 宇宙の未来〜」というタイトルで講演を行い、一般の方180名が聴講しました。

講演では、物理学の歴史を振り返りながら、素粒子物理学とは何か、自然法則はどこまで解明されているのか、これから何を目指しているのかについて解説しました。また、佐賀県も建設候補地のひとつとなっている、国際リニアコライダー(ILC)計画の概要と、それによって進めようとしている研究について紹介しました。

アンケートでは、「ILC設置の候補地に私達が住んでいる佐賀が入っていることが誇りに思います」、「これらの研究はすぐ結果が出るものではないが、未来についてもいろいろなことを考えることを子孫にもわかってもらうだろうということが印象に残りました」などの感想がありました。


講演の様子

1月19日(土)、岩手県奥州市宇宙遊学館で「International Linear Collider What’s ILC? Why ILC?」と題する講演を行いました。英語で実施された講演には、在住外国人や高校生を中心に60名が集まり、ILCとはなにか、なんのために作るかなどを解説しました。

アンケートでは、「I’m not good at science at all. but I enjoyed this seminar a lot. Thank you very much for having wonderful seminar. I hope we can have more information what we can do for promotion」、「理解しにくいこともありますが、このような機会があれば参加したいと思います」といった感想がありました。


講義中の関口 哲郎 助教

1月28日(月)には、埼玉県立熊谷高等学校において、1、2年生17名を対象に「素粒子ニュートリノとは~素粒子物理と加速器実験~」と題する講義を行いました。

講義では、素粒子の初歩的な説明を実施。その後、素粒子ニュートリノについての概要説明を行い、どのようにニュートリノを生成するのかを加速器の原理と動作方法を通じて解説しました。また、現在、大強度陽子加速器施設(J-PARC)において稼動しているニュートリノ実験施設を紹介。最後に、現在ニュートリノ物理学で問題となっているトピックを紹介しました。

アンケートでは、「ニュートリノを発見するために大規模な機械、設備が必要だと分かった。今まではニュートリノという言葉しか知らなかったけど、今回の講演を通して、ニュートリノは何か、どうやって発見するかよく分かりました」、「かなり難しい内容ではありましたが、ニュートリノとは何か?ということやさらに細かいことなどの説明を聞けて、素粒子物理についての興味が深まりました」などの感想がありました。


講演の様子

1月30日(水)には、青森県の八戸工業大学第二高等学校で、1~3年生95名を対象に「宇宙と超ミクロの世界」というタイトルで講演を行いました。

講演では、宇宙の基本構成粒子である素粒子の解説を行いました。素粒子検出の原理や加速器の原理、素粒子の標準模型、KEKのBファクトリー実験や欧州の欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロンコライダー(LHC)実験についても解説しました。また、日本が建設候補地にもあげられている、ILCの将来計画についても紹介しました。

アンケートでは「KEKでは、加速器を利用し、世界最先端の実験を行っていることを初めて知った」、「宇宙について、まだほとんど分かっていなく説明が難しいことを知り、驚きました」などの感想がありました。

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