アジア地域の加速器・高エネルギー物理会議 AsiaHEP & ACFA開催
#トピックスロシア・ノボシビルスクのBINPブドカー原子物理学研究所において、第2回アジア地域高エネルギー物理委員会(AsiaHEP)、第20回アジア地域将来加速器委員会(ACFA)がそれぞれ、2月26(火)、27日(水)に開催されました。
AsiaHEPは、アジア太平洋地域での高エネルギー物理学(素粒子物理学、原子核物理学、宇宙物理学およびその応用)に関連した理論的・実験的研究活動を推進するため2012年に設立されたもので、今回が2回目の開催となります。鈴木厚人KEK機構長をはじめ、Yifang WANG高能物理研究所(IHEP)所長、Amit ROYインドIUAC所長、リニアコライダー国際推進委員会(LCB)委員長 駒宮幸男東京大学教授らが参加しました。
会合ではアジア地域における高エネルギー物理の将来計画・戦略・ロードマップについて、活発な議論が行われました。アジアの各研究所所長・代表者から各国の高エネルギー物理関連研究の成果、今後の研究トピックや実験プランの展望について報告・議論が行われるとともに、欧州戦略、国際リニアコライダー計画、ニュートリノ研究について、積極的な意見交換がなされました。
KEK鈴木機構長(右)
AsiaHEP議長の野崎氏(左から2番目)
アジア地域将来加速器委員会 (ACFA)は、加速器科学・研究におけるアジア地域の連携強化を目的として1996年から開催されているもので、特に協同研究を重視し、人的・物的資源の有効かつ効率的な活用促進、次世代の研究者育成、アジアにおける加速器関連プロジェクト発展の支援を行っています。
今回の会合では、前日に行われたアジア加速器・測定器フォーラム(AFAD)およびACAFワーキング・グループからの報告や、各国からのステータスリポートが行われ、各地で研究活動が活発になっており、多くの新規プロジェクトが立ち上げられるなど、アジア地域において高エネルギー物理分野・加速器分野の研究が急速に発展していることが報告されました。
また、2013年は、中国でIPAC13、日本で合同加速器スクール(Joint Accelerator School)など重要なイベントが開催されるなど、今後のアジアが大きく貢献することが期待されていることが確認されました。
AsiaHEP 及びACFAの議長となったKEK野崎氏は、
「欧米で高エネルギー物理が加速器科学を牽引してきたのとは対照的に、アジアの加速器科学は放射光科学や中性子科学等の基礎科学に加えて、医療や産業応用が牽引しているように思われる。加速器技術が幅広いコミュニティの役に立っていることは大変喜ばしい。アジアの加速器科学を更に発展させるために、研究者コミュニティ及び裾野の拡大に努めたい」
と話していました。
ACFA会合の様子
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