第4回戸塚洋二賞を鈴木厚人 KEK機構長が受賞

 

3月20日(水)、東京大学小柴ホールにて第4回戸塚洋二賞の授賞式が行われ、鈴木厚人 >KEK機構長と井上邦雄 東北大学理学系研究科教授・同ニュートリノ科学研究センター長が受賞しました。

「戸塚洋二賞」は、平成基礎科学財団(理事長:小柴昌俊東京大学特別栄誉教授)がニュートリノ実験または非加速器素粒子実験、あるいは関連する理論研究において優れた功績をあげた研究者に対して授与するものです。

鈴木機構長は、1993年に神岡に1000トンの液体シンチレータを用いた測定器(カムランド)を提案。日本中の原子炉で生成される反電子ニュートリノを観測して、ニュートリノ振動の研究とそれによる太陽ニュートリノ問題の解明に加えて、地球内部のウランやトリウムの崩壊起源の反電子ニュートリノを同じ測定器で観測できる可能性を示し、実証しました。井上邦雄氏はカムランド実験に1998年より参加し、当時の研究代表者である鈴木厚人氏のもとで反電子ニュートリノの研究を始めました。2006年に鈴木氏がKEK機構長として転出した後はカムランドの代表として更に研究を進めました。

鈴木氏、井上氏の研究は、「ニュートリノ地球物理学」の研究分野を創設したとも言え、基礎科学にとって非常に重要な成果として評価されました。

鈴木機構長は「1992年に小柴先生の研究室に入ったことが、今日の研究の方向性のきっかけとなりました。折戸先生には、様々な場面で御支援をいただきました。また、戸塚先生には20年以上、現場での支援をいただき、また、時には厳しい議論をしたことなどを思い出します」と、研究における3人の先生方の影響の大きさを述べました。

受賞した鈴木氏(左)と井上氏(右)

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