駒場東邦中学校の生徒4名、KEKで職場体験
#トピックス
Belle II CDC検出器のワイヤー張り作業を解説する高力(こうりき)素核研先任技師
7月17日(水)、私立駒場東邦中学校の2年生4名が職場体験で、KEKを訪れました。職場体験は文部科学省が推進する、生徒が事業所などの職場で働くことを通じて、職業や仕事の実際について体験したり、働く人々と接したりする学習活動です。KEKでは、小中学生向けに研究所での仕事を体験するプログラムを実施しています。
生徒達は、 まずBelle II測定器用に現在製作中のCDC検出器を見学。どのような手法でワイヤー張りが行われているかなどの説明を受けました。その後、池上 陽一 KEK素核研研究機関講師と中村浩二 KEK素核研助教の指導の下、ATLAS実験のSCT検出器に実際に使われるプリアンプの増幅率やノイズの測定を行いました。プリアンプは、検出器が受けた素粒子による微弱な信号を増幅する、高エネルギー実験において大変重要な装置です。
昼休みには、午前中の実習を担当した池上研究機関講師と中村助教に加え、藤井恵介 KEK素核研准教授と昼食を共にし、ヒッグス粒子や国際リニアコライダーについて説明を受けていました。
生徒達は昼食後にスーパーコンピューターの見学を行った後、計測システムグループの内田智久 KEK素核研助教と庄子正剛 KEK素核研技術員の指導の下、電子回路の製作を行いました。製作した回路は、発光ダイオードの光を光検出器であるSiフォトダイオードで検出し、プリアンプにより信号を増幅するという回路の基本が理解しやすいものとなっていました。生徒達は大変手際よく作業を行っていました。さらに、大学院生からMPPCという別の種類の光検出器についても説明を受けていました。
今回の職場体験は、素粒子物理学の実験が様々な装置により支えられていることを知る機会となりました。
ATLASグループでの実習の様子
松古(まつふる)計算科学センター助教よりスーパーコンピュータの説明を受ける中学生
エレキグループでの実習の様子。回路製作を行う中学生。
※ 職場体験とは
職場体験は、文部科学省の推進のもと行われている学習活動です。生徒が直接働く人と接することで、学ぶことや働くことの意義や生きることの尊さを実感し、生徒が主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲など培うことを目指しています。
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