KEK近藤敬比古氏ら3名が仁科賞を受賞 - ヒッグス粒子発見に貢献

 


今回受賞した近藤氏

今年度の仁科記念賞を、近藤敬比古氏(KEK特別教授)小林富雄氏(東京大学素粒子物理国際研究センター教授)、浅井祥仁氏(東京大学大学院理学系研究科教授)が受賞しました。仁科記念賞は、日本の現代物理学に大きな功績を残した仁科芳雄博士を記念し、原子物理学の基礎とその応用の分野において優れた研究業績をあげた研究者を表彰するものです。今回の受賞は、3氏がヒッグス粒子発見に大きく貢献した点が評価されたものです。

ヒッグス粒子発見を目的としたCERN(欧州原子核研究機関)のATLAS実験は、実験に携わる約3800人の研究者の内、約150名が日本の研究者(大学院生も含む)で、粒子検出器の重要部分の建設を担当するなど、大きな役割を担ってきました。

とくに、近藤敬比古、小林富雄両氏は日本チームのリーダーとして建設当初から参加し、ATLAS検出器の立案と建設および運転を国際チームの重要メンバーとして成し遂げました。両氏の率いる日本グループはATLAS実験グループの発足当初から国際協力の中心メンバーとして活躍し、ATLAS 検出器の立案および検出器の中で重要な役割を果たす、超伝導ソレノイド、シリコン飛跡検出器、ミューオン検出器などを国内外の研究者と共に建設し、超高エネルギー衝突における超多重発生現象の測定を可能にしました。

仁科記念賞を運営する公益財団法人 仁科記念財団は、「多くの研究者が参加する研究で、小林富雄、近藤敬比古および浅井祥仁の3氏がそれぞれの実験の段階で指導的役割を果たし、国際共同実験を成功裏に遂行した点について、超伝導磁石に関して多大な貢献をした山本明氏(KEK教授)と共に、ヒッグス粒子発見に導いた功績は特筆すべきものがある」と評しています。

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