秋・冬期の7機関を含め、今年度は16機関延べ501名を受入<実習受入>

 

2014年2月5日

実習受入事業は、KEKが毎年全国の中学生及び高校生を対象に、学校では触れにくい研究現場の様子を肌で感じていただくことを目的に、【見学】、【講義】、【実習】を通して自然科学への興味が深まることを目標に実施しているプログラムです。

夏期の参加9機関に続き、秋・冬期にも全国から7機関延べ156名の高校生ら(引率含む)の参加があり、今年度は16機関延べ501名を受け入れました。

【見学】では、展示ホールの概要を学んだ後、KEKB展示室、筑波実験棟のBelle II測定器、富士KEKBトンネル、放射光科学研究施設を見学しました。
【講義】では、素粒子物理など講師の専門分野の話や、「研究者への道」など講師の体験談を聞きました。
【実習】では、霧箱製作、分光器製作、磁場測定、宇宙線観測など、製作や観測を体験し、KEKで行われている研究の原理を学びました。

以下、事業の様子を簡単に紹介します。


DoDEAの生徒たちの電磁石コイル巻き風景

9月24日(火):米国国防省太平洋地区教育事務所(DoDEA)の米国高校生(10~12学年)15名
「What is the world made of ?」の講義を受けた後、富士KEKBトンネル、KEKB展示室、Belle II測定器を見学しました。午後は実習で、電磁石を製作し磁場を測定しました。電磁石のコイル巻では絶妙なコツを要するため、生徒たちはいろいろ苦心していました。(全て英語による対応)


KEKB展示室で装置の説明を受ける生徒たち

10月3日(木):島根県立大田高等学校2年生11名

半日コース(午後)で、KEKB展示室、Belle II測定器の見学後、霧箱を製作し、「研究者への道」の講義を受けました。

生徒たちから「通常、目にすることができない施設を見ることができ、素粒子や宇宙という概念が少し身近なものに感じられた」「霧箱製作の説明が簡単で解りやすく、放射線のことが良く分かった」「自分も物理に興味があるので、自分の選択肢が広がった」などの感想が寄せられ、今回の実習で物理がより身近になった様子でした。


発表に向け、測定結果をまとめている生徒たちの様子

10月25日(金):東海大学附属望洋高等学校3年生15名

富士KEKBトンネル、Belle II測定器を見学し、午後の実習「磁場測定」では、事前説明、磁場測定、結果発表と約3時間磁場について学びました。

生徒たちから「敷地が広い、きれい」「装置が大きい」「加速装置が想像していたより精密ですごかった」など驚きの声や、実習を通して「KEKで行っている研究に興味を持った」などの声が多数聞かれました。


製作した分光器で各種光源のスペクトルを比較している生徒たち

10月30日(水):大阪市立東高等学校2年生20名

半日コース(午前)で、KEKB展示室、Belle II測定器を見学しました。実習では、分光器を製作しました。
生徒たちからは、KEKに一度「来たかった」「見たかった」ことが実現でき「良い体験になった」などや、「難しかった」が「新しい知識を得ることができた」「勉強になった」などの感想があり、有意義な研修となった様子でした。


KEK教職員と生徒たちの懇談風景

11月26日(火):栃木県立宇都宮高等学校2年生18名
富士KEKBトンネル、KEKB展示室、Belle II測定器を見学し、昼食後「卒業生との懇談」、午後は霧箱製作の実習、「素粒子飛跡検出器と素粒子実験」と題した講義を受けました。
生徒たちから「職員の方々の熱意が凝縮したような、とても魅力的な施設だった」「ここで働きたいと思った」「物理学の良さを大いに感じることができ、今後の勉強がより楽しくなった」などの感想が寄せられ、今回の研修が大きな刺激となったものと思われます。


KEKB展示室で宇宙線についての説明を受ける生徒たち

12月12日(木):青森県立五所川原高等学校1年生37名

半日コース(午前)で、KEKB展示室でKEK紹介ビデオ及び展示装置の説明を受けた後、Belle II測定器を見学しました。その後、宇宙線観測の実習、「研究者への道」と題した講義を受けました。
生徒たちからは、まだ物理を学習していないが「物理への興味が大きくなった」「物理をやってみたい」「予習になった」などの声や、「自分達でも実験や観測ができたので、宇宙に近づいたような実感を持った」「自分の進路の参考になった」などの感想があり、良い刺激となった様子でした。


トンネル見学にあたり事前説明を受ける中学生たち

1月8日(水):奥州市教育委員会(中学2年生21名)
放射光科学研究施設、富士KEKBトンネル、KEKB展示室、Belle II測定器を見学し、午後は「霧箱製作」「分光器製作」の実習、「科学的発見とは?Z項発見の話を例として」の講義を受けました。

生徒たちからは「最先端の技術に触れたという実感が湧いた」「難しかったが解り易かったので面白かった」など、引率の教員からは「生徒に解り易く説明しようとする態度に感激した」などの感想が寄せられました。

夏期の参加機関に関する紹介記事は、2013年9月18日「高校生等実習受入事業 この夏、岩手県立盛岡第一高等学校他8機関が参加」をご覧ください。

KEKでは、毎年、高校生等実習受入事業に参加を希望する高等学校・中学校を募集しています。応募については、以下のページをご覧ください。

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