KEKキャラバン、3月は東京、茨城、兵庫に派遣

 

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。3月は東京、茨城、兵庫で実施しました。


調布市北部公民館で講演する藤本順平 講師

3月1日(土)、調布市北部公民館(東京都調布市)にて、一般の方30名を対象に「量子論と宇宙の成り立ちを知ろう~ヒッグス粒子の発見から~」と題する講演を実施しました。

KEKの紹介から講演はスタート。科学とはなにかを説明しました。加速器の原理、標準理論について紹介。また、大型加速器として、欧州の大型ハドロンコライダー(LHC)を解説。動画を使って、次世代の加速器、国際リニアコライダー(ILC)についても紹介しました。

アンケートでは、「加速器でエネルギーから物質をつくるということの意味が分かった」、「宇宙に興味があったが、物理などは全然分からなかった。でも、分かりやすい講演で物理の事がだいぶ分かるようになって興味も出てきた」、などの感想がありました。


つくば市民大学で講演する藤本順平 講師

3月2日(日)には、つくば市民大学(茨城県つくば市)において「宇宙は何からできているんだろう~素粒子と宇宙と加速器のおはなし~」と題する講演を実施し、一般の方20名が聴講しました。

講演はKEKの紹介からスタート。原子説について解説した後、加速器を紹介しました。標準理論がどんなものかについても解説。また、ILCについても紹介しました。

アンケートでは、「素粒子物理学というと難しそうですが、物はなにから出来ているのか、それを知ろうとするわずか100年ほどの研究でいろいろなことが分かってきたことが理解できた」、「まだ質量について分からないことがあるのでILCの早期実現が待たれます」などの感想が寄せられました。


つくば市立二の宮小学校で講演する 藤本 順平 講師

3月6日(木)、つくば市立二の宮小学校(茨城県つくば市)において、5年生100名を対象に、「宇宙をつかまえる」と題する講演を行いました。

講演ではKEKやKEKのウェブサイトで連載中の科学マンガ「カソクキッズ」を紹介。ガリレオ、ニュートン、アインシュタインら素粒子物理学の分野の博士についても紹介しました。ブラウン運動を解説し、ファインマン博士も紹介。霧箱について説明した後、現代の霧箱であるKEKのベル測定器を紹介しました。また、加速器の原理についてや加速器の応用例についても触れました。

講演後のアンケートでは、「博士が世界中にこんなにいるとは思いもしなかったし、一人一人がまた違う内容の研究をしているということがすごかった」、「宇宙からはたくさんの粒がふってきているが、その粒は屋根や人間の体もつきぬけてしまうほど小さいと聞いてものすごくおどろきました」といった感想が寄せられました。


茨城県立太田第一高等学校で講演する幅 淳二 教授

3月19日(水)、茨城県立太田第一高等学校(茨城県常陸太田市)において、2年生85名を対象に、「速わかり高エネルギー物理学(素粒子物理学)と加速器」と題する講演を実施しました。

講演は、顕微鏡のたとえから分子、原子(元素)について説明しました。ラザフォード散乱、原子核、核子、クォークについての紹介を行いました。

講義後のアンケートでは、「新しい発見がたくさんでき、とても面白かったです。将来、素粒子の研究をしてみたいと思いました」、「加速器というものが何か分かった。すごく分かりやすく、もっと知りたいと思った」などの感想が寄せられました。


つくば国際会議場で講演する郡 和範 准教授

3月21日(金)、つくば国際会議場で「つくばサイエンスエッジ2014」が開催されました。KEKキャラバンでは、「宇宙のはじまり、ビッグバン、ダークマターとダークエネルギー」と題する講演を実施し、中学1年生~高校2年生の生徒と教員、65名が参加しました。

講演では、宇宙の進化をつかさどる、ビッグバン宇宙モデルを解説しました。また、ダークマターとダークエネルギーの観測的な証拠と、それを説明する理論モデルを紹介しました。


広尾学園で講演する多田 将 助教

3月21日(金)にはもう1件派遣を実施しました。広尾学園(東京都港区)で「中高生にも判る素粒子物理学最前線」と題する講演を行いました。中学1~3年生31名が聴講しました。

アンケートでは、「素粒子物理学という学問もよく分からなかったんですが、詳しく分かりやすく説明して下さって物理自体に興味をもちました」、「加速器という実験器具を初めて知って、いろんな研究者の実験の仕組みをもう一つ知ることができ面白かったです。」などの感想がありました。


兵庫県立大学附属高等学校で講演する 佐藤 皓 研究員

3月25日(火)、兵庫県立大学附属高等学校(兵庫県赤穂郡上郡町)において、1年生16名を対象に、「宇宙はなにからできているのだろう」と題する講演を実施しました。

講演の前半は素粒子と宇宙、後半は加速器とその応用の講義を実施しました。宇宙の成り立ちについて歴史的発展を踏まえながら説明。宇宙のことを調べるためには、素粒子・原子核のことを調べなければならないことを解説し、その手段として加速器が考えられたこと、KEKが現在世界最先端の加速器で宇宙のことを調べている、ことなどを説明。また、トピックスとして、ヒッグス粒子や重力波の間接的実証について紹介しました。

講演後のアンケートでは、「加速器を使っているものが身近にたくさんあることを知ってとても興味を持ちました」、「素粒子という最小のものを知ることによって宇宙という最大のものを知ることができるという不思議な感じを味わった」などの感想がありました。

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