KEKキャラバン、10月は岩手、神奈川、長野、群馬、京都に派遣

 

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。10月は岩手、神奈川、長野、群馬、京都で実施しました。


岩手県工業技術センターでの「ILCクイズ大会」の実施風景

10月4日(土)、岩手県工業技術センター(岩手県盛岡市)で「はっけん たいけん 岩手県工業技術センター 公開デー2014」が開催されました。KEKキャラバンでは、国際リニアコライダー(ILC)のパネルの解説とILCクイズ大会の講師を派遣しました。ILCクイズ大会には、小学生とその保護者を中心に180名の参加がありました。


聖光学院中学校で講演する諏訪田 剛 准教授

多種多様な加速器に驚きの声

10月10日(金)、聖光学院中学校(神奈川県横浜市)において、「活躍する加速器たち」と題する講演を実施し、3年生31名が聴講しました。

KEKの研究活動を紹介するとともに、社会で活躍する加速器の役割についてわかりやすく紹介。KEKにおける様々な活動内容に対し加速器がどのような役割を持って関わっているのか、さらに、基本となる「宇宙・生命・物質」研究において、どのようなミクロな世界が開かれているのかを説明しました。

講演後のアンケートでは、「加速器は現代の最先端技術の結晶であり、誰も知らない未知の世界に挑戦していることを知り、深く感銘を受けた」、「加速器は宇宙や素粒子についてだけを調べるものだと思い込んでいたので、生命の細胞のタンパク質を調べるのに加速器で生み出したX線を使ったと聞いて驚きました」などの感想が寄せられました。


長野県伊那北高等学校で講演する山田 悟史 助教

物質の構造を探る研究を紹介

10月16日(木)、長野県伊那北高等学校(長野県伊那市)において、2年生58名を対象に、「加速器を用いた最先端の物質科学研究」と題する講演を行いました。

1時間目には、KEKの紹介と物質構造科学研究所で利用している4つのプローブの解説と、それに関連して電磁波とは何か、という事についての説明を行いました。2時間目には、チョコレートを例に、量子ビームを用いた物質科学研究について紹介しました。

講演後のアンケートでは、「とても大きな装置を使って、自分には想像もできないような壮大な研究をしているということを知って、何よりその装置の大きさにはとても驚いた」、「KEKの研究が、生活のどのような場面に生かされているのか疑問に思っていましたが、薬の開発などに利用されていると知ってとても驚きました」といった感想がありました。

高エネルギー物理学とは何かを解説


群馬県立桐生高等学校で講演を行う山田 憲和 研究機関講師

10月20日(月)、群馬県立桐生高等学校(群馬県桐生市)において、1年生80名を対象に「高エネルギー物理学」と題する講演を実施しました。

講演では、KEK及び、高エネルギー物理学の紹介を実施。分子/原子から原子核、陽子中性子、素粒子の発見に至る経緯を概説した後、「力」とはどういうことかについて触れ、ヒッグス粒子、未解決問題について解説しました。

講義後のアンケートでは、「素粒子を見つけるためにぶつけて内部構造を調べるという方法を初めて知り、とても印象的だった」、「宇宙と素粒子とのつながりに美しさを感じた」などの感想が寄せられました。

リニアコライダーの魅力を講義

10月24日(金)、奥州市立前沢中学校(岩手県奥州市)において、1~3年生とその保護者を対象に、「宇宙の謎を解く 国際リニアコライダー計画とは」と題する講演を実施しました。

講演はKEKの紹介からスタート。実験の概念について説明し、ILC実験とはどんなものなのかについて解説しました。最後に加速器の応用について説明しました。

アンケートでは、「加速器が薬作りなどいろいろなことにつかわれていることを初めて知りました」、「国際リニアコライダー」というものは知っていたけど、内容や役割などはよくわからなかったので、しわしく知れてよかったです」などの感想がありました。


埼玉県立川越女子高等学校で講演する多田 将 助教

宇宙と素粒子の関係を語る

10月25日(土)、埼玉県立川越女子高等学校(埼玉県川越市)において、中学3年生、高校1~3年生20名を対象に「宇宙論」をテーマとする講義を行いました。

アンケートでは、「素粒子のことについて、よく知らなかったのですが、わかりやすい説明をしてくださったので、新たな興味がわいてきました」、「実際に加速器の中を見てみたいし、使ってみたいと思いました。」などの感想がありました。


京都市立堀川高等学校で講演する佐藤 皓 名誉教授

ヒッグス粒子から青色ダイオードまで

10月27日(月)には京都市立堀川高等学校で、3年生87名を対象に「素粒子と宇宙、先端加速器と素粒子研究の最前線、加速器の応用」と題する講演を行いました。

前半では素粒子、4つの力、力の統一、ヒッグス粒子、反物質、ダークマターとダークエネルギーについて解説。後半ではKEKのBファクトリー、大強度陽子加速器施設(J-PARC)、ILCなど、世界最先端の日本の素粒子研究、素粒子研究が私たちの社会にもたらすものについて最近のトピックスも折り込みながら説明しました。また、東海-神岡間長基線ニュートリノ振動実験(T2K)の成果、ヒッグス粒子の発見等に加え、重力波の間接的検証、青色発光ダイオード(LED)と放射光加速器の話も紹介しました。

アンケートでは、「物理学のイメージは現象の本質をつきつめる感じがしていて、どのような場合で活躍しているのか知りませんでしたが、今回の講演で医療等のいろいろな分野で利用されているのを知り驚きました」、「素粒子の勉強は、一見すると宇宙とは何の関わりもないように思うけれど、実は宇宙の誕生と関わっているというのが興味深かったです」などの感想がありました。

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