KEKの研究者や研究グループが小柴賞と諏訪賞を受賞

 


2月17日(火)、アルカディア市ヶ谷(私学会館)にて、公益財団法人 高エネルギー加速器科学奨励会による西川賞・小柴賞・諏訪賞・熊谷賞の表彰式があり、素粒子原子核研究所の西口 創(はじめ)助教が小柴賞を、コンパクトERL加速器建設チーム(代表:ERL計画推進室長の河田 洋(ひろし)教授)が諏訪賞を、それぞれ受賞しました。

西口氏の受賞研究テーマは、「ミューオン稀崩壊実験のための極低物質量ワイヤー飛跡検出器の開発」でした。レプトン数非保存過程である「ミューオン → 陽電子 + ガンマ線」崩壊の分岐費を調べる実験における低エネルギーの陽電子を検出するための極低物質量ワイヤドリフトチェンバを開発において、「本装置が実験のキーエレメントであり、数々の技術開発により粒子進行方向の物質量が放射長の0.2%という驚異的な低物質量化を成功した」ことが評価されました。小柴賞は素粒子研究のための粒子検出装置の開発研究において、独創性に優れ、国際的にも高い業績を上げた、原則として50歳以下の単数または複数の研究者・技術者に贈られます。

また、コンパクトERL加速器建設チームの受賞理由は、「エネルギー回収型リニアック(ERL)の基幹技術確立をめざした試験加速器の建設とビーム加速による性能の実証実験」で、新しい原理の高輝度光源として期待されているエネルギー回収型リニアック(ERL)について、「エネルギー3500万電子ボルト、 電流10ミリアンペア、規格化エミッタンス1マイクロメータ」の小型試験装置を建設し、電子ビームを加速し、様々な性能試験を行ったことにより、「ERLの開発研究を実現に向けて大きな一歩を踏み出させた」ことが評価されました。諏訪賞は、高エネルギー加速器科学の発展上、長期にわたる貢献など特に顕著な業績があったと認められる研究者・技術者・研究グループに贈られます。

なお、今年は西川賞は該当者無し、熊谷賞は、(元)日立製作所技師の齋藤 章(しょう)氏に贈られました。


素粒子原子核研究所の西口氏


ERL計画推進室長の河田氏

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