KEKキャラバン、3月は茨城と東京に派遣

 

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。3月は茨城と東京で実施しました。


智学館中等教育学校での実験の様子

3月5日(木)、智学館中等教育学校(茨城県水戸市)で「物理学は面白い」と題して工作と講演を実施し、中学1~3年生52名が参加しました。

1コマ目は、ケーブルカバーを利用したボールコースターの作成を実施しました。班ごとに、1mのケーブルカバーをうまく連結させ、ボールを転がす装置を工作。次にその装置を利用して「ボールを速く転がすにはどうすればいいか?」、コースをジャンプ台のように変形させ「遠くに飛ばすにはどうしたらよいか?」を問いかけ、ボールの運動を手元で確かめました。2コマ目は、今回の実験を解説。また、加速器の動作原理も説明し、最先端の科学もその基礎は今回体感した「力学」であることを伝えました。

講演後のアンケートでは、「物理と聞くととても難しいことだと感じていましたが、意外と日常的に感じているものなのだということが分かり、身近に思うことでより興味を持つことも出来ました」「一つ一つの原則には、必ず誰かが努力した事があって、この原則がなりたっているとわかりました」などの感想が寄せられました。


筑波大学で講演を行う島田 美帆 研究機関講師

3月14日(土)、筑波大学(茨城県つくば市)において、「リケジョサイエンスカフェ『発見しよう 理系の魅力!繋がろう 理系仲間 in Tsukuba 2014』(主催:筑波大学)」が開催され、中学1年生~高校3年生60名が参加しました。KEKキャラバンでは、パネルディスカッションの講師を派遣しました。

パネルディスカッションでは、研究内容について紹介したほか、研究を始めるきっかけになったことやライフスタイルについて紹介しました。パネルディスカッションの後は、個別に生徒と交えて話をしました。

アンケートでは、「理系の人の話を聞くことができてよかったです。自分の世界が広がりました!」「講師の先生方がとても笑顔で輝いていたので、私もそうなりたいと思います」などの感想が寄せられました。


広尾学園で講演する多田 将 准教授

3月21日(土)、広尾学園(東京都港区)で「中高生にも判る素粒子物理学最前線」と題する講演を行い、中学1~3年生40名が聴講しました。


つくば国際会議場で講演を行う、素粒子原子核研究所広報コーディネータの高橋 将太氏

3月24日(火)、つくば国際会議場(茨城県つくば市)で「つくばサイエンスエッジ2015」が開催されました。KEKキャラバンでは、「ニュートリノ物理の最先端―大型加速器を使ったニュートリノ振動実験-」と題する講演を実施しました。中学1年生~高校2年生、35名が聴講しました。

講演では、最初に素粒子について紹介し、ニュートリノの説明を行いました。その後、宇宙の謎の解明に関わる「ニュートリノ振動実験」を紹介し、実験原理、実験機器、成果を解説。また加速器実験に関しても、高エネルギーで実験することの意義や、用途別の加速器の種類についての解説などをしました。最後に10年後に行われているだろう素粒子物理学実験の紹介も行いました。

アンケートでは、「宇宙というと、とてもスケールの大きな話に思えてきますが、今回の講演で、私たちの目では見ることのできない、とても小さな素粒子が重要な構成要素であると知れて、とても有意義でした」「宇宙でわからないことが多いというのに興味を持った」などの感想が寄せられました。

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