KEKキャラバン、10月は兵庫、山形、神奈川、岩手、群馬、大阪に派遣

 

2015年12月14日

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。10月は兵庫、山形、神奈川、岩手、群馬、大阪で実施しました。


灘高等学校で講演する中山 浩幸 助教

10月3日(土)、灘高等学校(兵庫県神戸市)において、「加速器で迫る自然界の謎:世界は対称か」と題する講演を実施し、1年生~3年生約30名が参加しました。

講演では、高校で学ぶ教科としての「物理」と最先端の物理学の違いについて説明しました。また、新しい発見には実験誤差を小さくすることが重要であることや、高エネルギー加速器実験で新しい物理の発見を目指していることなどを紹介。KEKで行われたBelle実験と、2008年に小林・益川両博士が受賞したノーベル物理学賞について説明し、CP対称性とは何か解説。その他、宇宙人に左右の概念を伝えるにはどうしたらよいか?というオズマ問題や大学の物理学科の生活についても紹介しました。

講演後のアンケートでは、「高校で学ぶ物理では理論に注目しがちでしたが、実験についてもよく知ることが出来て面白かったです」、「反物質の存在を知らなかったので、新しいことが知られてよかった」などの感想がありました。


山形県立米沢興譲館高等学校で講演する 佐藤 皓 研究員

10月5日(月)、山形県立米沢興譲館高等学校(山形県米沢市)において、「現代物理学の最前線」と題する講演を実施し、2、3年生186名が聴講しました。

最初にKEKとつくば学園都市について簡単に紹介。古典物理学と現代物理学の関係について説明しました。ノーベル賞などのトピックスを引用しながら、それに付随する素粒子論・宇宙論の最先端の認識について述べつつ、各種の素粒子・原子核実験について解説。続いて、重要な実験設備である加速器について歴史的発展と、世界の現状について説明し、様々な社会的ニーズに対応した応用がなされていることを説明しました。また、近隣の山形大学には素粒子・原子核の研究グループがあること、また重粒子線治療装置の建設計画があること、等についても紹介しました。

アンケートでは、「内容は難しかったのですが、お話をお聞きして物理の奥深さを知りました」、「最先端の研究を知ることができて、現代物理学について少し興味がわきました」などの感想がありました。


聖光学院中学校で講演する橋本 省二 教授

10月8日(木)、聖光学院中学校(神奈川県横浜市)にて、「素粒子の世界」と題する講演を実施し、3年生34名が聴講しました。

講演では、2015年のノーベル賞とニュートリノについて紹介しました。続いて、ダークマターや4つの力について説明。素粒子の種類についても解説しました。また、KEKのBファクトリーとCPの破れ、ヒッグス粒子と大型ハドロンコライダー(LHC)、統一理論の可能性について解説しました。

アンケートでは、「120年くらいの歴史で様々なものが分かって来ていて研究者はすごいと思った」、「いままで理論の研究についてどのようなことをしているか疑問だったので、そのことも知れてよかったです」などの感想がありました。


岩手県工業技術センターでの実施の様子

10月10日(土)には、岩手県工業技術センター(岩手県盛岡市)で「はっけん たいけん 岩手県工業技術センター 公開デー2015」が開催されました。KEKキャラバンでは、「国際リニアコライダー(ILC)ってなんだろう?」のコーナーに協力し、ILCクイズ大会の講師を派遣しました。紙芝居を使ってILCについて紹介した後、ILCクイズ大会を実施。小学生とその保護者を中心に127名の参加がありました。

アンケートでは、「体を作っているのは3つのつぶだけなのに地きゅうもたいようも同じものでできていることが分かった」、「まだ見つかっていないのになぜ存在がわかるのかが不思議だった」などの感想が寄せられました。


群馬県立高崎高等学校で講演する諏訪田 剛 准教授

10月21日(水)、群馬県立高崎高等学校(群馬県高崎市)において、2年生43名を対象に、「活躍する加速器たち」と題する講演を実施しました。

KEKの研究活動を紹介するとともに、社会で活躍する加速器の役割について紹介しました。KEKにおける様々な活動内容に対し加速器がどのような役割を持って関わっているのか、さらに、機構における主研究テーマである「宇宙•生命•物質」研究においてどのようなミクロな世界が開かれているのかを説明。特に、本年度のノーベル物理学賞として対象となるニュートリノの研究に対し、KEKの加速器が大きく貢献していることを紹介しました。

アンケートでは、「ミクロとマクロの両方の局面からアプローチして宇宙の謎に迫ることができるということは驚いた」、「物理学も工学もつながりが深く、工学系進路を志望する自分にとってとても勉強になった」などの感想がありました。


吹田市立江坂大池小学校で講演する藤本 順平 講師

10月28日(水)、吹田市立江坂大池小学校(大阪府吹田市)において、6年生とその保護者75名を対象に、「宇宙はなにからできているんだろう」と題する講演を実施しました。

KEKの紹介からはじまった講演では、宇宙のなぞをとく物理学のはじまりについて紹介。ガリレオ・ガリレイやニュートン。原子説の紹介では、アインシュタインとファインマンを紹介しました。最後にKEKの加速器について解説しました。

アンケートでは、「宇宙や、物は、全て、つぶで、出来ている事を初めて知りました」、「何かを発見するには、あたりまえと思っていることの仕組みを知ることだなと思った」などの感想がありました。

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