アジア加速器・測定器フォーラム AFAD 2016 開催

 


KEKの加速器戦略について講演する山内機構長

2月1日(月)、2日(火)の2日間、京都大学・宇治キャンパスの宇治おうばくプラザにおいて、アジア加速器・測定器フォーラム「AFAD 2016」が京都大学エネルギー理工学研究所との共催で実施されました。

AFADは、加速器及び加速器関連技術、検出器の研究開発、またそれらの応用分野におけるアジア地域内での連携と協力のさらなる発展を目指し、2011年度に発足したフォーラムです。今年は日本や中国をはじめとする8の国と地域から、研究者や企業関係者192名が参加しました。

2日間にわたる会議は、初日午前のプレナリーセッションで開会後、本フォーラムを構成する7つのワーキンググループ(光科学の為の加速器関連技術 (WG1)、検出器技術開発(WG2)、産業・医療応用の為の加速器技術(WG3)、革新的加速器技術(WG4)、ハドロン・中性子科学の為の加速器関連技術(WG5)、ネットワーク・計算機(WG6)、低温技術(WG7))及びジョイント(WG2、WG3、WG5)に分かれたパラレルセッションが開かれて、計89の研究発表が行われました。そして最終日午後には、各分野とジョイントセッションのまとめがプレナリーセッションで報告されました。(当日のプログラムはこちら)

会議ではアジア・オセアニア域内での小型加速器利用による社会への加速器技術、粒子検出器及び計算機技術の応用が真剣に検討され、生命科学、物質構造科学、そして医療応用なども視野に入っていたほか、各国で加速器、加速器技術、放射線の活用を進める機運が高まり、産業利用に向けたシステムづくりが急ピッチで進行しているという報告もありました。また、KEKの最先端加速器施設を活用した先端技術開発を行う、多国籍ラボプロジェクトを立ち上げることの重要性が改めて強く認識されました。

各国の持ち回りで開催することで、それぞれの国・地域の状況が毎回フォーカスされるところがAFADのユニークな特徴になっており、今後は、各カテゴリーの常任委員会(Standing Convener Committee)が一年を通して交流を行い、加速器応用の為の多国籍ラボプロジェクトが提案されることを期待致します。

次回のAFADは中国蘭州のIMP(Institute of Modern Physics)が主催することに決まり、ワークショップは成功裏に終了しました。

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