KEKキャラバン、3月は東京と茨城に派遣

 


昭島市立玉川会館で講演する高橋将太 素粒子原子核研究所 広報コーディネータ

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。3月は東京と茨城で実施しました。

3月9日(水)、昭島市立玉川会館(東京都昭島市)において、「宇宙の謎に迫る~ニュートリノ研究の現状」と題する講演を実施し、一般の方、約50名が聴講しました。

講演冒頭で、素粒子全般とその中でのニュートリノの位置づけを説明しました。次に、身近にあるニュートリノを紹介。ニュートリノをどのように測定するか、発見の歴史も紹介しながら説明しました。また、2015年ノーベル物理学賞に輝いた「ニュートリノ振動」の研究について、連成振子の演示実験を見せながら、ニュートリノ振動現象についての解説を行いました。まとめとして、現在、世界中で進行中のニュートリノ実験の紹介と、ニュートリノの性質の解明と宇宙のはじまりの関連を解説しました。

アンケートでは、「量子力学・相対論が理解できました」、「物質の本質的な内容の講演でよかった」などの感想がありました。


二の宮ハウスで講演する郡和範 准教授

3月17日(木)、二の宮ハウス(茨城県つくば市)において、公益社団法人 科学技術交流センター(JISTEC)が企画する二の宮ハウスキャンドルライト・ディスカッションが開催されました。KEKキャラバンでは「The beginning of the Universe-- the mysteries of dark matter and dark energy --」と題する講演を実施し、留学生や外国人研究者など、およそ40名が聴講しました。

講演では、ダークマターとダークエネルギーの理解の現状を、素粒子物理学と宇宙物理学・宇宙論の観点から説明。また、宇宙の始まりに起こったとされるインフレーションと呼ばれる、宇宙初期の加速膨張についても解説しました。


広尾学園中学校・高等学校で講演する多田将 准教授

3月19日(土)、広尾学園中学校・高等学校(東京都港区)にて、「中高生にも判る素粒子物理学最前線」と題する講演を行い、中学1~3年生40名が聴講しました。


東京都立多摩科学技術高等学校で講演する高橋将太 素粒子原子核研究所 広報コーディネータ

3月22日(火)には、東京都立多摩科学技術高等学校 (東京都小金井市)で、「宇宙のはじまりとニュートリノ」と題する講演を実施し、2年生約70名が聴講しました。

ビッグバンから宇宙ができるまでと物質宇宙ができた謎、それを解明する鍵がニュートリノにあることを導入に、素粒子としてのニュートリノ、身近なニュートリノ源について紹介しました。次に、ニュートリノの測定方法について、ライネスとコーワンによる発見や、スーパーカミオカンデの検出方法を説明。また、2015年ノーベル物理学賞の「ニュートリノ振動」の研究とニュートリノ振動現象についての解説を行いました。まとめに、現在、世界中で進行中のニュートリノ実験の紹介とT2K実験の概要説明とその測定と物質優勢宇宙の解明の関係性を説明しました。

講演後のアンケートでは、「ニュートリノのことや、スーパーカミオカンデの仕組みを知ることができて良かった」、「宇宙とか壮大なことをやっていて発見するのはすごいと思ったし、60年間でそんなに発展しているんだなと思った」などの感想が寄せられました。


つくば国際会議場で講演する高橋 将太 素粒子原子核研究所 広報コーディネータ

3月26日(土)、つくば国際会議場(茨城県つくば市)において「つくばサイエンスエッジ2016」が開催されました。KEKキャラバンでは、「素粒子ニュートリノと宇宙のはじまり」と題する講演を実施し、中学2年生~高校2年生37名が聴講しました。

実施後には次のような感想が寄せられました。「ニュートリノについて分かりやすくおしえていただき、とても勉強になりました」、「将来素粒子の研究がしたいと考えていたが、KEKを目標の1つにしたいと思った」。




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