KEKキャラバン、5月は東京と栃木に派遣

 


江戸川区子ども未来館で人形紙芝居を実施する様子

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。5月は東京と栃木で実施しました。

5月5日(木)、江戸川区子ども未来館(東京都江戸川区)において、「宇宙はなにからできているんだろう」と題する講演と人形紙芝居「そりゅうし村のゆかいななかまたち」、霧箱観察を実施しました。小学4~6年生とその保護者35名が参加しました。

授業は、ガリレオやニュートンを紹介しながら、「実験する」ということの意味を説明することからはじまりました。続く、人形紙芝居「そりゅうし村のゆかいななかまたち」では、全てのものが粒からできていることを解説。最後に、その粒を見るための装置「霧箱」を紹介し、観察を行いました。霧箱を使って、小さな素粒子を観測する原理について説明しました。

アンケートでは、「自分の体が小さなつぶでできていることがありえないくらいふしぎでした」、「原子が100種あるけど、その原子の成分は3種類の電子、アップクォーク、ダウンクォークしかないことにびっくりした」などの感想がありました。


佐野日本大学高等学校で講演する橋本省二教授

5月13日(金)、佐野日本大学高等学校(栃木県佐野市)で「素粒子と宇宙」と題する講演を実施し、1年生100名が聴講しました。重力波の発見についての紹介からスタートした講演では、ニュートリノ振動、ダークマターについて解説を行いました。また、素粒子とはどんなものか、強い力、弱い力について説明。宇宙の大規模構造や宇宙のはじまり、究極の理論についても紹介しました。

講演後のアンケートでは、「特に私達の身体を毎秒たくさんの素粒子が通り抜けているということと、宇宙は光で満ちているというお話はとてもびっくりしました」「疑問に思う気持ちを持つことはまだ解明されていない宇宙の謎が少しずつ解明されるためのキーとなるのだと感じた」などの感想が寄せられました。

2010年にスタートしたKEKキャラバンは、現在までに、全国各地へ335件の派遣を実施しました。(2016年6月30日現在)。加速器を用いた素粒子や物質・生命などの研究や、その研究を支える仕事を紹介する講演や、小学生向けの実験教室を実施しております。プログラムの内容、お申し込み等、詳しくは下記をご参照ください。

KEKキャラバン出前授業プログラム
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