第4回湯浅年子賞授賞式が開催され、理化学研究所の望月優子氏に金賞が授与されました

 

KEKは日仏事業共同事業の一環として、Toshiko Yuasa Laboratory(TYL)をフランスのCNRS/IN2P3研究所、CEA/Irfu研究所とともに運営しています。TYLは、CNRSで長きにわたり原子核分野の研究を展開、日本で初めて国際的に活躍した女性研究者である湯浅年子博士の名を冠したバーチャルな研究所で、科学技術分野への女性の進出を応援するための事業を行っており、お茶の水女子大学が湯浅博士の自然科学およびその関連分野に対する功績を記念して設立した「湯浅年子賞」に対しても、その設立当初から協力を行っています。

第4回目となる平成28年度の湯浅年子賞には、理化学研究所の望月優子氏(仁科加速器研究センター 望月雪氷宇宙科学研究ユニット 研究ユニットリーダー)が、「南極氷床コア科学の推進と学界におけるリーダーシップの実践」の業績により金賞に選出され、2月24日(金)、お茶の水女子大学において授賞式が行われました。


左から、TYLフランス側ディレクターのMarc Besançon氏 (CEA/Irfu研究所)、望月優子氏(理化学研究所)、TYL日本側ディレクターの幅淳二氏(KEK素粒子原子核研究所)

望月氏の研究は、過去の太陽フレアから超新星爆発まで様々な宇宙現象が大気に与えた影響を、時間軸を積層した形で記録した南極氷床に探ろうとする独創的なもので、宇宙から原子核・素粒子、あるいは生命の誕生にまで研究の対象を広げることが期待されています。

授賞式では、お茶の水女子大学の室伏きみ子学長から賞状が、またTYLフランス側ディレクターのMarc Besançon氏(CEA/Irfu研究所)から湯浅博士の肖像が刻まれた記念のメダルが、それぞれ望月氏に授与されました。望月氏にとって湯浅博士は、深く敬愛する先達という存在とのことで、今回の受賞に率直な喜びを表されていました。この受賞を契機として、望月氏の研究がさらに進展することが期待されます。

関連サイト
お茶の水女子大学 平成28年度「第4回 湯浅年子賞」選考結果報告
理化学研究所 望月研究ユニットリーダーが「湯浅年子賞金賞」を受賞
理化学研究所 仁科加速器研究センター望月雪氷宇宙科学研究ユニット
CNRS/IN2P3研究所(仏文)
CEA/Irfu研究所(英文)

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