TYL日仏合同ワークショップをストラスブールで開催

 

フランス・ストラスブールのユベール・キュリアン学際研究所(Institut Pluridisciplinaire Hubert Curien,IPHC)で5月10日(水)から 12日(金)、TYL日仏素粒子物理学研究所(FJPPL)のワークショップが開催されました。本ワークショップは毎年恒例で仏韓研究所(FKPPL)との合同で開かれ、昨年の韓国高等科学院(KIAS)に次いで、第6回目となります。全体で、100人を超える参加(日本より25人、フランスより65人)があり、素粒子・原子核物理、加速器科学、計算機科学などの分野で行われている日仏韓の共同研究の成果が発表されました。それに加えて今回は、ヒッグス粒子発見以降の素粒子物理学関連分野を見渡すための特別企画(キーノートトークとブレインストーミングセッション)が行われ、今後の理論、実験、加速器、測定器の各分野における標準模型を超えるための攻略をじっくりと考える機会となりました。

KEKは日仏共同事業の一環として、日本初の国際的女性物理学者である湯浅年子博士の名を冠する「湯浅年子ラボラトリー(TYL)」を運営し、フランス原子核素粒子研究所(IN2P3/CNRS)、フランス宇宙基礎科学研究所(Irfu/CEA)と連携しながら日仏両国の共同研究事業を推進しています。

ワークショップでは、今年で2回目となる日仏両国の共同研究に従事した若手研究員を対象とする「TYL ヤング・インベスティゲーター・アワード」の受賞者が発表されました。選考委員による慎重な審査の結果選ばれたのは、現在筑波大学の大学院生としてALICE実験で研究、活躍を続けている横山広樹氏です。

横山氏は、ALICE実験における電磁カロリメータシステムを使用したジェットと光子のトリガー開発、ならびにジェットのデータ解析において重要な貢献を行いました。トリガー開発においてはFPGAプログラミング技術を駆使して安定動作するファームウェアを完成、またデータ解析では5.02TeVでのPb-Pb衝突におけるジェットクエンチングの効果を明確にしてQGP生成の手がかりを示し、ALICE実験に大きな成果をもたらしました。


KEKの近況について講演する山内機構長


参加者グループフォト


TYL-FJPPLヤング・インベスティゲーター・アワードを受賞した横山氏(左から3人目)とFKPPLヤング・インベスティゲーター・アワードを受賞したJo氏(左から4人目)及びTYL-FJPPL/FKKPPL Co-directors.

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