The British School in Tokyoの生徒が職場体験

 

2017年7月26日

東京都世田谷区にあるThe British School in Tokyoの高校生1名が7月14日(金)、職場体験でKEKを訪れました。生徒は構造生物学研究センターの原田彩佳研究員の指導を受け、タンパク質を結晶化させる実験に取り組みました。

生命現象のしくみの解明や、立体構造に基づいた創薬設計などに利用されるたんぱく質の構造解析。その最も代表的な手法である「X線結晶構造解析」は、結晶化したタンパク質にX線をあてて、回折したX線から個々の原子の位置、立体構造を決める手法です。構造解析ではまず、タンパク質の結晶を作製する必要があります。


結晶製作中の様子


顕微鏡による観察

タンパク質分子を構成する各原子の立体的配置を明らかにするため、同じ分子が規則的に並んだ結晶を作ることでX線照射時の回折を強く出すことができます。しかし、タンパク質の結晶作製にはpH、沈殿剤の種類や濃度、温度、タンパク質の濃度など多くの要因が関わっているため、結晶化の条件を調べるには時間、根気や経験を必要とします。

今回の実験では、卵から抽出したタンパク質であるリゾチ−ムを用いて、塩濃度やpHの異なる複数の条件で結晶化を行い、結果を比較しました。また、放射光科学研究施設(PF)ではタンパク質結晶構造解析の実験ステーションの見学を行いました。


原田彩佳研究員(右)から指導を受ける様子

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生徒が作成したタンパク質の結晶

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生徒が作成したタンパク質の結晶

体験終了後、生徒から「PFとPF-ARリングの施設を見学できたのはすごい体験でした。また、タンパク質の結晶化にはいかに多くのステップがあり、長いプロセスを必要とするかを知ることができて興味深かったです。大変楽しかったので、将来またKEKを訪問したいと思います」とお礼状が届きました。

※ 職場体験とは
職場体験は、文部科学省が推進する学習活動。生徒が直接働く人と接することで、学ぶことや働くことの意義や生きることの尊さを実感し、生徒が主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲など培うことを目指す。



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