「サイエンスアゴラ2017」に出展しました

 

研究機関や大学などが集まって成果発表やシンポジウムなどを行う科学イベント「サイエンスアゴラ2017」が11月24日から26日までの3日間にわたり東京都江東区のテレコムセンターで開かれ、KEKはトークセッション「どこへ向かうの? ビッグサイエンス」を行いました。KEKの研究者、学生、会社員、一般など関係者を含めて30人ほどが出席し、ビッグサイエンスをテーマに自由な議論を展開しました。

トークセッション「どこへ向かうの? ビッグサイエンス」の様子 ©KEK IPNS

セッションは、広報室の髙橋将太・科学コミュニケータが司会進行し、Belle II 実験コラボレータで名古屋大学の前田陽祐研究員、KEK共通基盤施設の鈴木研人助教、物質構造研究所の小野寛太准教授の研究者3人が参加しました。

参加者からはまず、「ビッグサイエンスがうまくイメージできない。実験装置が大きいのか、お金の規模が違うのか、人数を要するのか」「そのお金は誰が負担しているのか」などの質問が寄せられ、研究者たちが、Belle II 実験やLHCを例に、現在では日本政府や国際協力により予算や人員が賄われている実情を報告しました。

さらに、「国際宇宙ステーションなど他のビッグサイエンスと比較して、素粒子の占める位置はどうなのか」「どのジャンルへの投資が国益にかなうのか」といった疑問が出て、日本政府がホストとなることを検討中のILC(国際リニアコライダー)計画にも話題が及びました。前田研究員は、素粒子実験の目的が新しい物理の発見であることに加え、「実験の現場が海外にあると、そこまで出張する費用がかかり、できることも限られる。Belle II 実験のように身近にあれば、非常に便利だし、若い研究者が志す理由にもなる」とホストすることの利点を強調し、理解を求めました。  

また、他のビッグサイエンスに関わる研究者からは「どのビッグサイエンスも共通する悩みを抱えている。利益をどう国民に説明するかということ。次回はぜひ、いろいろな業界のことも合わせて話題にしてほしい」との意見も出ました。セッションは熱のこもった議論となり、予定の1時間半を超えて約2時間に及びました。 

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