科学と音楽の響宴2018を開催しました

 

2018年12月9日(日)、つくば市ノバホールで科学をテーマにした講演と音楽のコンサートを組み合わせた「科学と音楽の響宴2018」(つくば市・つくば文化振興財団共催、高エネルギー加速器科学研究奨励会協賛)を開催しました。 地域の文化振興の一環として毎年実施しており今年で 12回目。747人の来場者がありました。

左から大須賀鬨雄氏(司会)、天野寿彦氏(ヴァイオリン)、水永牧子氏(チェンバロ)、山内正則KEK機構長(講演)

第一部は、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の山内正則機構長が「宇宙のからくり、わかったこと、わからないこと」と題して講演。 宇宙には「宇宙から消えた反物質」「質量の起源」「暗黒物質の正体」「加速する宇宙膨張」という4つのナゾがあり、これらを解明するため、KEKではさまざまな研究が進められていること、また欧州のCERNのヒッグス粒子の発見やプランク衛星による宇宙背景放射の測定など、世界で行われている実験についても紹介しました。 また、「『無』から『有』を作る方法」として、宇宙の創成を貯金と借金の関係にたとえて来場者に物理の世界をわかりやすく解説しました。

水永牧子氏(チェンバロ)
天野寿彦氏(ヴァイオリン)

第二部では、ヴァイオリンの天野寿彦氏とチェンバロの水永牧子氏による「バロック名曲選」が披露されました。 今回は、カステッロやコレッリのような一般にはあまり馴染みのない作曲家の曲も取り上げられました。 チェンバロは18世紀後半まで欧州でよく使用されたピアノに似た楽器ですが、20世紀に入って古楽の復興によって再び用いられるようになりました。

天野氏は曲に応じて白い弓から黒い弓に交換しました。 ヴァイオリンの弓は馬の尻尾の毛でできていて、色が違うと音質も変わるそうです。 また水永氏は、天野氏との共演以外にヘンデルの「調子のよい鍛冶屋」とバッハの「ゴルドベルク変奏曲」をソロで演奏しました。

最後のアンコールでは「みなさんがよくご存じの曲を」と前置きして、二人でバッハの「G線上のアリア」を演奏、コンサートを締めくくりました。

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