メンバー
メンバー紹介
髙倉 理
連携研究員
量子場計測システム国際拠点(QUP)
助教
東京大学
e-mailsatoru.takakura-at-kek.jp
宇宙の始まりの謎を解明するには、極めて微弱な信号を測定する必要があります。そのとき課題となるのが測定誤差(ノイズ)です。ノイズは邪魔者ですが、一方で、宇宙マイクロ波背景放射のような大発見につながるかもしれません。私は物理学者として、ノイズの原因究明と対策に取り組んでいます。
Research Content
私はこれまでチリ・アタカマ砂漠にある望遠鏡を用いて宇宙マイクロ波背景放射(CMB)を観測するPOLARBEAR実験に参加してきました。地上望遠鏡にとって避けられない問題が地球の大気です。私は連続回転半波長板と呼ばれる装置をPOLARBEAR実験に搭載することで、大気ゆらぎのノイズを低減し、原始重力波起源Bモード信号の探索を行いました。一方、連続回転半波長板を使っても残るノイズがあることが判明し、その原因が検出器の非線形性や、大気中の雲であることを突き止めました。
超伝導検出器や半波長板など、POLARBEAR実験で用いられた様々な技術がQUPで開発するLiteBIRD衛星にも取り入れられる予定です。これまでに培ったノウハウを応用してLiteBIRD衛星の開発に取り組みます。