8月9日、清泉女学院の高校1年生1名がKEKにて職場体験を行いました。
今回の職場体験では、物質の構造や生命のしくみを研究する放射光科学研究施設フォトンファクトリーを中心に、加速器や実験ホールの見学や、放射光を用いた研究の体験を行いました。
整備中のビームラインを見学
最初にKEKコミュニケーションプラザを見学した後、Belle測定器を見学し、午後からはフォトンファクトリーの光源加速器と実験ホールを見学しました。夏期は加速器の運転が止まっており、フォトンファクトリーでは装置の点検や整備が行われています。その様子を間近で見学した他、タンパク質の立体構造解析を行うビームラインでは、装置のしくみや測定方法などを学びました。
その後、放射光マイクロビーム細胞照射装置が設置されているビームラインBL-27Bで、放射光実験の一部を体験しました。 このビームラインでは、低線量放射線の生物作用機構を研究するために、個々の細胞に放射光マイクロビームを照射することができます。学校でも化学部に所属しているという、参加した生徒は、初めて手にする実験道具を巧みに操り、培養した哺乳類の細胞の細胞核を染色し、装置にセットしていました。研究では、その細胞核一つずつを蛍光顕微鏡で観察しながら放射光を照射し、細胞の経過観察を行いますが、今回は加速器が運転していないため、照射の手順までを体験しました。
体験を終え、「細部まで精巧に作られたBelleには圧倒されました。フォトンファクトリーでは実際の実験の様子が想像できてとても良かったです。」と感想を述べていました。
左:細胞試料の調製を体験。 右:細胞試料を照射装置にセットしている様子。
※ 職場体験とは
職場体験は、文部科学省の推進のもと行われている学習活動です。生徒が直接働く人と接することで、学ぶことや働くことの意義や生きることの尊さを実感し、生徒が主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲などを培うことを目指しています。