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Sラインにてミュオンビームを確認

物構研トピックス
2015年11月10日

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)にて建設を進めてきた低速ミュオンビームライン(Sライン、Surface Muon Beamline)にて、ミュオンビームの取り出しに成功、平均寿命測定からミュオンであることを確認しました。

fig_S-muon.png
S1エリアで観測された陽電子

MLFのミュオン科学実験施設(MUSE)低速ミュオンビームラインSラインは、ミュオンスピン緩和(μSR)を用いてバルク物性を測定するためのビームラインです。2013年度末より、計画された4つの実験エリアの中で最初の分岐であるS1実験エリアへの建設開始され、2015年10月末よりミュオンビームを取り出すための調整を行ってきました。その結果、ミュオン生成標的表面付近から取り出される運動量のそろった低速(表面)ミュオンビームをS1実験エリアに引き出すことに成功しました。ミュオンの寿命は平均2.2マイクロ秒(半減期約1.5マイクロ秒)で崩壊して陽電子に変化します。その陽電子を測定したところ、S1で確認されたビームは確かに陽子加速器によって作りだされたミュオンであることが確認できました。また、生成標的からミュオンと同時に引き出されることで測定のノイズとなってしまう陽電子(時間ヒストグラムの横軸時間1700ナノ秒あたりのピーク)が少なく、良質なビームが得られていることがうかがえます。

S1-monitor_1029.jpg S-libe_20150415t.jpg
左:MLFのビームモニター。赤色がビームONを示す。Sラインにビームが導かれたことが分かる。
右:SラインとS1実験エリア

これにより、Sラインではミュオンビームを使ったミュオンビームを使った試運転作業が本格的に始まりました。現在、陽子ビーム強度500 kWに対して毎秒100万個を超えるミュオンが得られており、今後さらにビーム強度をあげるための調整が続けられています。

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