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KEK

小野寛太氏ら、X線顕微鏡の開発でダブル受賞

物構研トピックス
2015年11月24日
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KEK物構研の井波 暢人特任助教、小野 寛太准教授、武市 泰男助教による、コンパクトなX線顕微鏡の開発によって、Engineering Impact Award Japan 2015の一般部門優秀賞、そしてこのX線顕微鏡を含めた「磁気イメージングハンドブック」が日本磁気学会の出版賞を受賞しました。

放射光X線を利用したイメージングは、分子の配置など形としての構造に加え、吸収スペクトルから化学状態を含めた物質の構造を調べることが出来ます。また偏光X線と併用すると、磁石材料の局所的な磁区構造までも見ることが出来、材料開発や機能発現の解明にとって非常に有効な手段となっています。しかしながら国内には、数マイクロメートルから数ナノメートルといった局所解析を行うことができるX線顕微鏡が存在しませんでした。井波氏、小野氏、武市氏はX線イメージングするための新型X線顕微鏡「STXM(スティクサム)」を開発、加えてA4用紙サイズに全ての素子が収まるコンパクト設計は世界的にも独創的なものです。この開発にあたり、試料の高速位置制御を行いながらX線吸収のパルスカウントを計測処理するシステム構築し、日本ナショナルインスツルメンツ株式会社のシステム開発コンテストで一般部門の優秀賞を受賞しました。

フォトンファクトリーに設置されたX線顕微鏡(STXM)と、開発メンバー。左から、小野 寛太 准教授、井波 暢人 特任助教、武市 泰男 助教。奥から手前に向かってX線が入射される。手前のA4サイズの箱にSTXMが収まっている。右はその箱の内部で、STXM構成素子。

局所構造の化学状態を調べられるツールとして、環境分野、触媒、宇宙塵の分析などの分野に加え、偏光X線との併用による磁気イメージングと、既に広範な分野で利用されています。 磁気に関する研究は、磁性薄膜やレアメタルを使用しない強力な磁石開発など様々な分野で行われており、材料中の磁気の様子を観測、評価することは、材料開発において重要となっています。

小野氏は、こうした磁気イメージングについて、大嶋則和氏、笹田一郎氏、三俣千春氏、山田豊和氏とともに「磁気イメージングハンドブック」にまとめました。古典的な簡単なものから、特殊な装置が必要なものまで幅広くある手法が技術ごとに章立てされ、自分の試料について知りたい情報を得るために適した手段を調べることが出来るようになっています。またそれぞれの技術に関する第一線の研究者が最新データを用いて原理を解説、紹介されています。これにより、磁気の学理および応用に関する出版物で、多大な貢献のあったものとして日本磁気学会の出版賞を受賞しました。


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