高エネルギー加速器研究機構
環境報告2007
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法令遵守

  本機構では法令で定められている基準を遵守することはもちろん、人や環境へ与える影響や事故を未然に防げるよう独自の基準を設け安全管理に努めています。
  2006年度は環境関連法規に違反するような事象はありませんでした。

<主な関係法令>
・消防法
・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法 (PCB特別措置法)
・特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)
・毒物及び劇物取締法
・労働安全衛生法
・水質汚濁防止法
・下水道法
・大気汚染防止法
・放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(放射線障害防止法)
・電離放射線障害防止規則(電離則)

【労働安全衛生への取組み状況】

巡視点検・自主点検
   労働安全衛生法に基づき、年間を通して機構内の巡視点検を産業医、衛生管理者が行っています。また、各エリア毎に安全衛生点検者を選出し、担当エリアの自主点検とその報告を依頼しています。自主点検報告書の提出率は97%であり、職員の安全衛生に対する意識が高いことがわかります。
  2006年度は260件の指摘があり、196件(75%)が改善されました。今後も改善件数が増えるように継続して啓蒙していきたいと考えます。


改善前

改善後

講習会等
  機構では、職員及び業務請負者の安全衛生の認識を深め、より安全で快適な職場環境を確保するために以下における講習及び訓練を実施しました。

・安全衛生講習会(5月16日)
・防災・防火訓練(11月7日)
・安全業務連絡会(8月3日)
・放射線業務従事者教育訓練(12月5日、2月21日)

【アスベストの処理状況について】

建築物における飛散性アスベスト
  非飛散性のアスベスト使用箇所において平成5年度に飛散防止処理を完了しましたが、平成17年2月公布の石綿障害予防規則において、石綿含有率(重量換算)1%を超えるものも規制の対象となりました。そのため、再度実態調査を行い、該当箇所(2号館及びPSエネルギーセンターの一部 計126u)の除去作業を行いました。

※飛散防止処理とは、アスベストを取り除く除去処理及びアスベストの仕上げ面を囲い込む囲い込み処理を言う。

建築物における非飛散性アスベスト
  建築物改修に伴い、PS第3収納庫外壁においてアスベスト成形板(石綿含有フレキシブルボード)の撤去を行いました。この成形板は非飛散性であるため、撤去工事の際アスベストの拡散の恐れはありませんでした。

実験機器におけるアスベストについて
  電子陽電子入射器棟にてアスベスト含有保温材の撤去を行いました。保温材をアルコールによりウェット状態に維持及び密閉状態における施工により、アスベストが環境へ拡散しないよう作業を行いました。

【PCB廃棄物の保管状況】

  PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物に関しては、「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により、適切な保管と届出が要求されています。
  PCB廃棄物のうち、高濃度(50%以上)のPCBを含有する機器は、PCB廃棄物処理基本計画に基づき、平成27年3月までに処理される予定です。具体的な処理日程が確定するまでは機構内のPCB専用保管庫で厳重に保管すると共に、保管状況等を毎年茨城県に報告しています。
  また、現時点で処理計画が公表されていない、低濃度(0.5 mg/kg 以上)のPCBを含有する機器についても、高濃度のPCBを含有する機器と同様に保管管理をしています。
  使用中の機器に関しては「電気事業法電気関係報告規則」に基づき経済産業局へ届出を行うと共に、使用状況を茨城県に報告しています。

機器の分類廃棄予定台数
高濃度PCBを含有する機器
58
低濃度PCBを含有する機器
35
使用中
14

【放射線管理】

  本機構において研究の基盤となる加速器は運転中に放射線や放射性物質を生成します。そのため加速器はコンクリートや鉄などの厚い遮へい体(シールド)の中に設置され、放射線や放射性物質が外部に漏れることのないように、遮へい体内の空気や水を厳重に管理しています。また、敷地境界の放射線線量は年間50マイクロシーベルト以下(自然放射線から受ける放射線線量の約10分の1)を基準に管理を行い、現状では、その10分の1程度の線量に抑えています。
  放射線線量を測定するために機構内には200台以上の放射線モニターが設置され、少しでも放射線量が上昇した場所については放射線科学センターが調査を行い、安全の確保に努めています。特に厳しい管理が必要とされる場所では、放射線量の増加を検知すると加速器を自動停止(インターロック)させる放射線モニターが設置されています。
  また、放射性廃棄物については減容等の作業後、専用容器に入れ処理業者に委託し、再利用可能な物品については将来の使用に備え、放射線管理区域の専用場所で保管管理しています。
  詳しくは毎年機構が発行する「放射線管理報告」に記載し、公表しています。