加古 永治氏が諏訪賞を受賞
KEK加速器研究施設の加古 永治氏が、高エネルギー加速器科学研究奨励会の諏訪賞を受賞しました。
加古氏は、KEKトリスタン加速器の超伝導高周波(SRF)加速システムの研究開発に関わって以降、実に30年以上にわたってその研究開発に取り組んできた、この分野における世界的な権威です。
現在電子線形加速器で主流となっている1.3GHzの超伝導空洞を使った加速器システムにおいて、超伝導空洞の電解研磨などによる高性能化や、高周波を投入するための入力カプラー開発において中核的な役割を果たしてきました。超伝導空洞の黎明期からその研究開発に取り組み、KEKのSTF加速器やcERL加速器の超伝導空洞システムの性能向上に尽力してきました。
また、国内を含むアジア地域のSRF技術の進展のための人材育成にも取り組んでおり、アジア地域全体のSRF分野に大きな貢献をしています。2022年からは国際的な研究者組織であるTESLA Technology Collaboration (TTC)の議長にも選出され、国際的にも活躍しています。
このように長年にわたって加速器科学の発展に貢献するとともに、顕著な業績を挙げていることが評価されました。