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加速器研究施設:加速器第六研究系


加速器第六研究系主幹 小林 幸則

放射光を用いた物質・生命科学研究を推進するためには、放射光を発生させる技術が欠かせません。先端的な加速器研究により、放射光源の性能向上を図るとともに、効率的な保守整備・運転を行ない、高性能で安定な放射光を供給しています。既存の光源においては、一層のビーム安定化、トップアップ運転等の新規の運転法の開発、新しいタイプの挿入光源の開発などにより、より高度な放射光利用に対応した技術開発を行なっています。

また、加速器研究施設の他の研究系と協力して、将来光源の研究開発を推進しています。

活動内容

電子軌道・電磁石(光源第1グループ)

蓄積リングにおける電子軌道の研究とそれに関わる直流型電磁石・電源およびビーム入射用パルス型電磁石・電源に関する研究開発を行なうとともに、安定運用を実現するため維持・改良を行っています。また、将来光源におけるラティス設計、バンチ圧縮を含む各種ビームダイナミクスおよび放射光発生に関する研究開発を行うとともに、さらなる軌道安定化を目指した電磁石系の開発研究を行っています。

高周波(光源第2グループ)

蓄積リングにおける高次モード減衰型常伝導加速空洞、大電力クライストロン、高圧電源、低電力高周波制御システムに関する研究開発と、安定運用を実現するための維持・改良を行っています。また、将来光源源用の常伝導空洞の開発、および高次モードやイオントラッピング等に由来するビーム不安定性の研究を行っています。

真空(光源第3グループ)

蓄積リングの真空系および超伝導ウィグラーの維持・改良を行うとともに新規のモニター、パルスマグネットや挿入光源などの真空システムの設計・開発を行っています。真空ビームダクトの低インピーダンス化によって、超高真空を達成すると同時にビーム不安定性を抑制し、大電流・長寿命のビーム蓄積を可能にしています。また極低エミッタンスリングの実現に向けてフランジやゲートバルブの低インピーダンス化や異種金属接合、NEGコーティング技術などの研究開発を行っています。

ビーム診断・制御(光源第4グループ)

蓄積リングにおけるビームの挙動を高精度で測定する電子ビーム・光ビーム計測などのモニターシステムに関する研究開発をおこなうとともに、安定かつ効率的な運転を行なうための制御システムの開発や、関連装置の維持・改良を行なっています。また、ビーム不安定抑制のための高速フィードバックシステムなどの開発・構築も行っています。さらに、将来光源のための、大電流、極短バンチ、極低エミッタンスビームを計測可能とするビーム診断システムの開発研究に取り組んでいます。

基幹チャンネル・安全(光源第5グループ)

放射光による大パワーの熱負荷から全ての機器を保護し、安全に制御された放射光をビームラインに供給するため、基幹チャンネルシステムに関する研究開発と、安定運用を実現するための維持・改良を行なっています。さらに、光源加速器の放射線安全系に関する維持・改良および将来光源のための安全系システムの開発を行っています。

将来光源(光源第6グループ)

エネルギー回収型リニアック(ERL)の試験加速器であるコンパクトERL(cERL)において、これまでにない大強度のテラヘルツ光源開発、および高繰り返し高平均出力の中赤外自由電子レーザー(cERL-FEL)の開発研究を行っています。また、次世代半導体微細加工用として期待されているERLをベースにした極短紫外線(EUV)領域の自由電子レーザー(EUV-FEL)の設計研究に取り組んでいます。

挿入光源(光源第7グループ)

VUVから硬X線までの様々なエネルギー領域において、輝度特性・偏光特性に優れた放射光を供給する挿入光源に関する研究開発と、安定運用を実現するための維持・改良を行なっています。また、新しいアイデアの挿入光源の開発や将来光源における挿入光源の検討や自由電子レーザー(ERL-FEL)に関する検討を行っています。

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