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J-PARCセンターの船出 2006.3.23 |
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〜 設立記念式典を開催 〜 |
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KEKと日本原子力研究開発機構(JAEA)が共同で東海村に建設中の大強度陽子加速器施設(J-PARC)についてはこれまでもご紹介してきました。両機構は2008年度からの施設利用開始に向け、両者が一体となって施設の運営を行なう母体となる「J-PARCセンター」を設置し、今月16日に記念式典を開催しました。 世界最高レベルの粒子ビーム J-PARCは世界最高レベルのビーム強度を持つ50GeV(500億電子ボルト)と3GeV(30億電子ボルト)の陽子シンクロトロンを建設し、陽子を標的にぶつけることによって得られる中性子、ニュートリノ、K中間子、パイ中間子、ミュオンなどのさまざまな二次粒子を使って基礎科学から産業利用までの様々な分野の研究に利用できるようにする大型の研究施設です。 建設は2001年に始まり、トンネルや建物などの建設工事は約3分の2が終了したところです(図1)。今後は、マグネットなどの機器の搬入と据付け作業などを進め、2008年度以降、上流のライナックから順にビームの調整作業が始まる予定になっています。 J-PARCセンターの設立 KEKとJAEAは2月17日に「J-PARCセンターの設置等に関する協定」を締結するとともに、同協定に基づき「J-PARCセンター」(センター長 永宮正治)を設置しました(図2)。これは、J-PARCの運営に関する業務を両機構が共同で円滑に実施することを目的としています。当初は加速器ディビジョン、安全ディビジョン、業務ディビジョンの3つのディビジョンの総勢62名の体制で発足し、利用に供する業務の増加などに応じて組織を順次拡大していく予定です(図3)。 記念式典を開催 今月16日には茨城県東海村にあるテクノ交流館リコッティでJ-PARCセンター設立記念式典が開催され、内外の関係者ら約200名が参加しました(図4)。殿塚理事長(JAEA)と戸塚機構長(KEK)の挨拶があった後、来賓として近藤文部科学審議官、角田茨城県副知事、村上東海村村長から祝辞を頂きました(図5)。 殿塚理事長は「JAEAとKEKのそれぞれの研究、開発、利用体制の長所長所を活かして、J-PARCが、基礎から応用の研究を推進するための「知の拠点」として、両機構は、力を合わせ、よりよい共同運営体制を作り上げていく所存です。」 戸塚機構長は「2つの組織が一丸となってJ-PARCを建設し、基礎科学と産業応用の両面から国内外の共同利用、共同研究に貢献していきたいと考えております。」 また、近藤審議官は「J-PARCにおいては、両機関それぞれの研究開発、人材面の蓄積・経験を活かした効果的な共同運営体制の下、世界中の研究者及び 産業界の方々の集積・利用が促進され、ノーベル賞級の優れた研究成果や新産業創出につながる革新技術が生み出されるなど、「科学技術創造立国」の実現に 資することを期待しています。」と述べられました。 続いて、永宮初代J-PARCセンター長(図6)から挨拶とJ-PARCの建設状況説明があり、その後、石川茨城県議会議長の発声で乾杯し、出席者全員でJ- PARCセンター設立を祝いました。 2008年の供用開始へ向けて 永宮センター長は挨拶の中で「J-PARC運営を開始するにあたり、今後も多々の問題にぶつかるとは思いますが、センター発足の緊張感を噛みしめ、私どもは一つのチームとして新たな気持ちで出発する覚悟でおります。」 2008年の利用開始に向けて建設が進むJ-PARC。世界でも類を見ない複合加速器研究施設として、いろいろな国や分野の研究者から注目を集めるように なってきました。J-PARCのこれからにご期待ください。
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