秋・冬は全国から5校がKEKを訪問<実習受入>

 

2013年3月8日

KEKでは、中学生と高校生を対象として、学校では触れにくい研究現場の様子を肌で感じて頂くことを目的とした、実習受け入れ事業を行っています。この事業ではKEKの研究者の解説による施設見学や講義のほか、科学実験・工作の実習など、自然科学への興味が深まることを目標にしたプログラムを組んでいます。

春夏の実習受け入れ15件に続き、秋冬にも全国から学生がKEKを訪れました。9月には米国防省太平洋地区教育事務所、10月には大阪市立東高等学校、11月には水戸啓明高等学校と一関第一高等学校、年が明けた1月には岩手県奥州市の中学生研修の一行の計5団体がそれぞれKEKを訪問しました。


霧箱で放射線の観察を行うDoDEAの生徒

9月26日(水):米国防省太平洋地区教育事務所(DoDEA)の高校1~4年生(日本の中学3年生~高校3年生相当)の20名がKEKを訪れました。生徒たちはKEKの紹介ビデオを視聴した後、アップグレードのため解体中のBelle測定器を見学し、実際の装置の巨大さに驚いた様子でした。見学の後は実習として「霧箱」を製作し、実際に放射線が飛んだ軌跡の観察を行いました。会場の照明を落として観察を始めると、実際に軌跡が見えた生徒たちは非常に興味深そうに霧箱を覗き込んでいました。


KEKについての説明を受ける東高等学校の生徒

10月29日(月):大阪市立東高等学校から理数科2年生26名がKEKを訪れました。筑波実験棟ではBelle測定器と展示室を見学し、敷地の規模や装置の大きさに感嘆する声が聞かれ、講師に様々な質問を投げかける姿も見られました。見学の後は霧箱製作の実習を行い、講義を交えながら放射線の軌跡を観察しました。生徒たちからは「自分でノーベル賞に関わった装置を作れるのはすごい」「初めて放射線が飛ぶ様子を見ることができ、とてもいい経験になった」などの感想が寄せられました。


Belle測定機について説明を受ける水戸啓明高等学校の生徒

11月9日(金):水戸啓明高等学校のサイエンスフロンティアコース1年生27名がKEKを訪れました。生徒たちは午前中に、アップグレードのため解体中のBelle測定器と放射光科学研究施設の2つの施設を見学し、午後からは霧箱・分光器という2つの実習に加えて「放射光による最先端医学X線イメージング」と題した講義を受けました。実習後、生徒からは「霧箱で放射線の飛跡が見えた時は感動した」「講義は難しかったが、放射光が医療に役立っていることがわかった」などの声が聞かれました。


KEKB加速器で装置を間近に見学する一関第一高等学校の生徒

11月28日(水):岩手県立一関第一高等学校の1年生9名がKEKを訪れました。施設見学では、Belle測定器、加速器トンネル、放射光科学研究施設を見学しました。実習ではスパークチェンバーを用いた宇宙線測定を行った後、「宇宙をつかまえる 物理・加速器・リニアコライダー」と題した講義を受け、世界の加速器やILCについて理解を深めました。生徒からは活発に質問があがり、実習後には「加速器が並んでいるのを見たらロマンを感じた」「今日の体験を将来に活かしていきたい」などの感想が寄せられました。


分光器で電球から出る光のスペクトルを見る奥州市の中学生

1月8日(火):岩手県奥州市各地の中学生21名がKEKを訪れました。施設見学ではBelle測定器、放射光科学研究施設、加速器トンネルを見学しました。放射線の軌跡を観察する霧箱の製作、光のスペクトルを見ることが出来るポケット分光器の製作という2つの実習の後、奥州市出身の小野正明教授から講義を受けました。実習後の生徒からは「今日は加速器や電子や素粒子のことを詳しく知ることが出来て楽しかった」などの感想が聞かれ、思い出深い研修になった様子でした。

KEKでは毎年、実習を希望する中学校・高校を募集しています。応募についてご検討いただく際は、以下のページをご参照ください。(平成25年度公募要領)
※平成25年度分の受付は終了いたしました。平成26年度分の募集は平成26年1月頃を予定しています。 

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