平成30年度は21団体733名の高校生らを受入れました<実習受入>

 

高校生等実習受入事業は、KEKが毎年全国の中学生及び高校生等を対象に、学校では触れにくい研究現場の様子を肌で感じていただくことを目的に、見学、実習、講義を通して自然科学への興味を深めることを目標に実施しているプログラムです。

今年度は21団体733名の高校生らの参加がありました。

見学では、展示ホール等でKEK紹介ビデオを視聴後、KEKB展示室、筑波実験棟のBelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、先端加速器試験棟(ATF)、超伝導リニアック試験施設棟(STF)、放射光科学研究施設(PF)を見学しました。

富士KEKBトンネルで説明を受ける生徒たち

実習では、分光器製作、霧箱製作、宇宙線観測にて、KEKで行われている研究の原理を学びました。

観測写真から宇宙線測定をしている生徒たち

講義では、「研究者への道」「ニュートリノで探る素粒子の謎」「素粒子物理学~分かっていることいないこと」 「タンパク質の形を知ろう!創薬へとつながる研究の裏側」など講師の専門分野の話や、講師の体験談を聞 きました。

素粒子物理学の将来の講義を受ける生徒たち

生徒たちからは「”加速器”と一言で言うが、実際に見てみると色々な試行錯誤のうえに出来ていることが分かり、研究がいかにその過程を入念に詰めていかなければならないか分かった」「陽電子と電子を加速させ、ぶつけるためにこれほど大きな装置を使っているということに驚いた。宇宙や物質のなりたちについて研究するために加速器が重要な役割を持っていることがわかった」「色々な知識を得ることができた。加速するために必要なのは、エネルギーを増やし、電子を重くするということにびっくりした」などの感想が寄せられました。

また、KEKの研究内容について「KEKでは、物質や宇宙についての研究をされているので、医療との関わりはあまりないと思っていましたが、製薬に役立てられることを知り、本当に様々な分野にわたって研究がなされていると思いました」「物理の素粒子とかの研究ばかりやっていると思っていたが、実際は化学、生物など幅広い分野の研究に役立っていると知り、学問はやはりどこかでつながるのだと思った」という感想もありました。

一方、「生物の研究をしている人がいると聞いて少し期待しました。しかし、あまりにも物理にかたよりすぎていた気がします。各々の興味に合わせた研修ができれば、もっと楽しかったかなと感じました」との意見があり、今後の実習受入事業の参考にしていきたいと思います。

受入校

  • 岩手県立盛岡第一高等学校2年生
  • 埼玉県立川越高等学校1・2年生
  • 大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎1・2年生
  • 愛知県立岡崎北高等学校2年生
  • 高松第一高等学校2年生
  • 栃木県立宇都宮女子高等学校2年生
  • 岩手県立釜石高等学校2年生
  • 埼玉県立所沢北高等学校1・2年生
  • 宮城県仙台第三高等学校1・2年生
  • 福岡県立筑紫丘高等学校2年生
  • 一関市教育委員会(中学3年生)
  • 気仙沼市教育委員会(中学3年生)
  • 新潟県立新潟高等学校2年生
  • 大阪星光学院中学校・高等学校 中学2・3年生、高校1年生
  • 米国国防省太平洋地区教育事務所 中・高校生
  • 岩手県立一関第一高等学校2年生
  • 大阪市立東高等学校2年生
  • 埼玉県立大宮高等学校1年生
  • 群馬県立太田高等学校1・2年生
  • 栃木県立宇都宮高等学校2年生
  • 奥州市教育委員会(中学2年生)

KEKでは毎年、「高校生等実習受入」を希望する中学校・高校を募集しています。応募についてご検討いただく際は、以下のページをご参照ください。

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