大型低温重力波望遠鏡KAGRAが観測モードへ、完成記念式典を開催
#トピックス10月4日(金)、大型低温重力波望遠鏡KAGRAの完成記念式典と研究協定調印式が行われました。
大型低温重力波望遠鏡KAGRAは、東京大学宇宙線研究所、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、自然科学研究機構国立天文台が共同ホスト機関となり、国内外の研究機関・大学の研究者が共同して2010年から建設を進めてきました。 KEKは加速器科学で培った極低温技術と超高真空技術を活かして、KAGRAの骨格を成す装置群の設計・制作・設置に貢献しています。
完成記念式典は岐阜県飛騨市神岡町にあるKAGRA実験施設の坑内で行われました。 式典に先立ち、地元の延喜式内社大津神社神楽社中による神楽が披露されたのち、梶田隆章 東京大学宇宙線研究所長と宮園浩平 東京大学理事・副学長が運転開始ボタンを押し、KAGRAのモニターを列席者が見守るなか、無事スタンバイモードから観測モードへと移行しました。
式典参加者は富山市内のホテルに移動し、KAGRAの完成を報告する記者会見と、KAGRA、米国のLIGO(ライゴ)、欧州のVIRGO(ヴィルゴ)の重力波望遠鏡の3拠点の研究協定調印式が行われました。
KAGRA研究代表者の梶田所長は 「9年という長い建設期間にも関わらず、完成までこぎつけたコラボレータのみなさんに感謝したい。 KAGRAはスタート地点にたったばかりで、まだまだこれからである。 検出感度を高めるために、乗り越えなければならない課題もたくさんある。 LIGOとVIRGOとの国際共同観測に向けて、アジアの観測拠点として、コラボレータ一丸となってがんばっていきたい」 と感想を語りました。
LIGOプロジェクト代表のデビット・ライツィ博士は 「今日はとても喜ばしい日であり、KAGRAが国際共同観測に参加することでもたらされる新しい科学的知見がとても楽しみ」と述べ、 VIRGOプロジェクト代表のヨー・バンデンブランド博士は 「KAGRAが完成した今日は、アメリカ、ヨーロッパ、日本というグローバルな国際共同観測体制を構築し、観測精度を向上させるとても大事な日となった。 KAGRAで使われている革新的な技術は、将来の重力波望遠鏡にとってもとても重要である」と喜んでしました。
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