マグマ(岩漿)
地下に高温状態で存在する流動体の造岩物質。マグマの大部分は、ケイ酸塩溶融体である。また、炭酸塩を多く含む場合もある。主な構成元素は、酸素、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ナトリウム、カリウムである。ケイ素の量は、マグマの流動性と噴火のタイプを左右する。ケイ素が少なく流動性の高いものが玄武岩質マグマである。さらに、安山岩質マグマデイサイト質マグマ流紋岩質マグマの順にケイ素の含有量が多くなっていく。ケイ素が多いと流動性は小さくなり、爆発性が大きくなる。火口から噴火するときのマグマの温度は、900〜1200度である。マグマの起源は、上部マントルの深さ100km 以浅にあると考えられている。マントル物質の上昇流の中で、岩石が減圧されて融解し、マグマを形成するとされる。なお、マグマが流動体のまま火口から噴出したものは溶岩と呼ばれる。


マグマだまり
深部から上昇してきたマグマは、地下数kmで浮力を失い、重力とのつりあいによって一定の場所に停滞する。その場所のことをマグマだまりと呼ぶ。形成直後のマグマは玄武岩質であるが、マグマだまりやそれまでの過程において化学組成を変化させる。マグマに溶解していた水分が気化して発泡するか、あるいは他の要因によってマグマだまりの内圧が高まると、マグマは地表に向かって上昇し、噴火を引き起こす。


噴火予知
火山活動における噴火の時期、場所、規模、様式およびそれらの推移を事前に予測すること。個別の火山によっては、噴火にともなう予兆現象が経験的に知られていることがあり、適切な火山観測を行なって噴火を予知したケースもある。また、周期的な火山活動が知られている場合には、噴火時期の一つの目安を与える。現在では、宇宙線によって火山内部の様子を調べるという新しい手法の研究なども進められている。しかし、一般的な噴火予知を行うのは難しいとされる。噴火活動の的確な予知を実現するためには、火山活動のメカニズムを完全に解明し、地下マグマの状態を正確に把握して、さらにその運動を定量的に計算して予測することが必要である。


ガウス分布
ある確率で起こる微小の測定誤差が多数重なったものの極限分布 (中心極限定理) としてガウスがはじめて導入した。ガウス分布の確率密度関数は、平均値を中心として左右対称のグラフを描く。平均値から遠ざかっていくと、確率密度がゼロとなる横軸に漸近する。また、分散と呼ばれる量によって、分布の広がりが表わされる。観測して得られた測定値は、多くの場合、ガウス分布をなすことが分かる。そこで、測定を多数繰り返すことによって、その平均値を求め、ガウス分布の分散から測定誤差 (統計誤差) を決定することができる。学校で行われる試験の得点を度数分布にしたとき、平均点をピークにある広がりをもつ分布になれば、それをガウス分布として見ることもできる。統計学に限らず、多くの分野において有用な分布である。


モンテカルロ法
乱数を使ってシミュレーションを行い、確率的な事象をもつ問題を解析する手法の一つ。コンピュータの出現により、ウラムがノイマンとともに考え出した手法である。例えば、半径1の円の面積(=π)を求める場合、円に外接する一辺の長さが2の正方形の中へ均等に砂をばらまき、円の内部に入る砂粒を数えて全体に対する割合を知ればよい。一般に、コンピュータは擬似乱数 (巡回する乱数列) しか作り出すことができないので、計算量に比較しての精度は落ちる。なお、モンテカルロとは、モナコにあるカジノ都市から取ってつけたものである。




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