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原子核
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原子の中心部分に位置し、陽子と中性子によって構成されているもの。二個以上の陽子からなる原子核では、陽子同士が互いに電磁相互作用による反発を受けているが、それに打ち勝つだけの強い相互作用によって中性子とともにかたく結合されている。 重い原子核の中には、自発的に二つ以上のより軽い原子核に分裂するものがあり、このような現象は核分裂と呼ばれる。このとき放出される束縛エネルギーは原子力エネルギーとして利用されている。分裂前後の原子核の質量を比較すると、分裂によって質量 (和) が減少しているので、アインシュタインの公式 E = m c2 によって質量がエネルギーに変わったと見ることもできる。 逆に、陽子や中性子が集まってヘリウム原子核を作ったり、さらに炭素や酸素の原子核を作る原子核反応を核融合という。このときも余分なエネルギーは放出される。核融合は、太陽など恒星のエネルギー源でもあり、プラズマ閉じ込め技術を用いた核融合発電の研究も進められている。
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放射能
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放射線の発見は、レントゲンによるX線の発見 (1895年)、ベクレルによるウラン化合物からの透過性の強い放射線の発見 (1896年) に始まる。その後、多くの天然の放射性物質の発見や人工的な放射性同位元素の合成がおこなわれている。原子番号92のウランよりも大きな原子番号をもつ超ウラン元素は、どれも人工的に作られた元素である。現在、原子番号112の元素まで確認されている。放射性物質 (放射性同位元素) から出る放射線は、その質量や電荷量、透過力などの性質に応じて、アルファ線、ベータ線、ガンマ線や中性子線など分類された。現代では、アルファ線はヘリウムの原子核、ベータ線は電子 (または陽電子)、ガンマ線は波長の短い電磁波 (エネルギーの大きな光子) であることが分かっていて、それらの性質が深く研究されている。なお、放射能という言葉は、ウランの数万倍の強度をもつ放射線源であるラジウムを発見したキュリー夫妻の命名 (1898年) によるものである。放射能とは、ウランやラジウムのような物質が放射線を出す性質あるいは能力のことを意味する。放射線と放射能を厳密に区別して使うこともある。
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