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KEK

コンパクトERLグループ、諏訪賞を受賞

物構研トピックス
2015年2月18日
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コンパクトERL加速器建設チーム(代表:KEK物質構造科学研究所教授 河田 洋 氏)が、平成26年度の高エネルギ―加速器科学研究奨励会の諏訪賞を受賞しました。この賞は、高エネルギー加速器科学の発展上、長期にわたる貢献など特に顕著な業績があったと認められる研究者・技術者・研究グループに贈られるものです。今回受賞対象となった研究課題は「エネルギー回収型リニアック(ERL)の基幹技術確立をめざした試験加速器の建設とビーム加速による性能の実証実験」です。

ERLは、これまでの放射光を凌駕する高輝度性、短パルス性をもつ放射光を生み出す将来の放射光光源として、注目、研究が進められている加速器です。エネルギー回収によって、一般の直線加速器にはない省エネルギー性、低エネルギービームダンプによる加速器放射化の低減などの特長があります。その実現には、きれいな電子の塊を作りだすための電子銃や、加速された電子のエネルギーを回収し再利用して加速するための超伝導加速空洞などの技術開発とそれらを組み合わせた総合的な加速器技術の確立が不可欠です。

その実現のため、KEKの加速器チームおよび日本原子力研究開発機構、広島大学、総合研究大学院大学などから協力者を得て河田氏をリーダーとするERL計画推進室が2006年度に発足、ゼロからの技術開発を始めました。そしてERLの技術検証のための加速器、コンパクトERLが2013年11月に建設完了し、12月の試験運転直後に周回部を含めたエネルギー回収の総合運転に世界で初めて成功しました。この開発研究は、世界でもコーネル大学、ダルスベリー研究所などでも行われていますが、加減速周回部を含む総合的な試験機を開発して実証実験に成功した例はまだなく、ERLの研究開発と実現に大きな一歩を記したものとなります。

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今回の受賞に際し、コンパクトERL加速器建設チーム代表 河田 洋 氏は、「諏訪賞の受賞は、まさにコンパクトERL加速器建設チーム全体の力です。今後の励みにもなり、とても感謝しております。その受賞に恥じないよう、次世代先端放射光源やその他のCW-Linac技術※1をベースにした、加速器利用に貢献していきたいと思います。」と喜びを語られました。

コンパクトERLグループ

日本原子力研究開発機構、東大物性研究所、UVSOR、SPring-8、名古屋大学、広島大学、山口大学、産業技術総合研究所、高エネルギー加速器研究機構


◆用語解説

※1 CW-Linac技術
連続的に荷電粒子を加速し、結果的に大電流を実現することができる入射器技術

◆関連サイト

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