異種の物質が直接接する表面・界面において、物質はバルクと異なる特異な振る舞いを示すことが広く知られている。その中でも、主に有機物で構成される「ソフト界面」は官能基に起因した物理吸着や化学吸着、界面活性はもちろん、界面という局所的な空間に制限されることによるエントロピーの効果等が複雑に相互作用することによって、学術的にも産業的にも興味深い様々な現象を見せてくれる。そして、それを理解し、制御するためには表面・界面を観測する技術、特に分子レベルでの理解には量子ビームを用いたナノスケールの解析技術がその威力を発揮する。一方、その全貌を理解する上で量子ビームだけでは不十分であり、必要に応じて他の測定も組み合わせることが必要不可欠である。
上記の背景を踏まえ、本研究会では量子ビームを用いたソフト界面の計測技術に加え、他の先端計測技術の専門家を招き、測定技術の概要とその適用例を紹介してもらうことで、これらを組み合わせた「量子ビームの枠を超えた」マルチプローブ実験の普及に向けた情報交換を行うと共に、これら測定技術を有機的に連携させるための意見交換を行う。
9:00-9:10 | 開催趣旨 | |
高エネルギー加速器研究機構 山田悟史 | ||
9:10-10:10 | X線/中性子反射率法を用いたソフト界面評価 | |
高エネルギー加速器研究機構 山田悟史 | ||
10:10-10:20 | 休憩 | |
10:20-11:00 | 軟X線吸収顕微分光を用いたソフト界面評価 | |
分子科学研究所 荒木暢 | ||
11:00-11:40 | 斜入射小角散乱法を用いたソフト界面評価 | |
名古屋工業大学 山本勝宏 | ||
11:40-13:00 | 昼食 | |
13:00-13:40 | 和周波発生分光を用いた高分子界面の評価 | |
産業技術総合研究所 犬束学 | ||
13:40-14:20 | 走査型プローブ顕微鏡を用いたソフト界面評価 | |
九州大学 盛満裕真 | ||
14:20-15:00 | 水晶振動子マイクロバランスを用いたソフトマター界面の粘弾性評価 | |
三重大学 山岡賢司 | ||
15:00-15:10 | 休憩 | |
15:10-16:00 | 討論 ~ 量子ビームの枠を超えたマルチプローブ実験の普及を目指して |