社会インフラ構造材料の安全性マネジメントに最も重要な要素は材料の破壊メカニズムの理解と制御である。破壊現象は原子レベルからマイクロメートルオーダーの階層構造を持つのに加え、破壊に至るまでの時間によって破壊メカニズムが異なるため、構造材料の設計には、破壊現象を時間および空間の両面から捉え、時空間の階層構造を理解することが極めて重要となる。CIQuSテーマ設定型共同研究「社会インフラ構造材料のき裂起点の予測」プロジェクトでは、破壊現象を量子ビームを用いた時間、空間分解計測により時空間の階層構造を明らかにし、破壊の起点とその進展メカニズムの本質に迫ること目的とし研究を進めている。本研究会では、金属材料研究を様々な量子ビームで様々な時空間スケールからアプローチする取り組みを紹介して頂くことで、金属材料をマルチスケールで研究する意義について共有し、かつ、専門外のプローブを用いる研究者同士の交流の場とすることで、量子ビーム利用研究の裾野を広げることを目的とする。
13:00-13:10 | 開催趣旨 | |
丹羽尉博(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所) | ||
13:10-13:50 | 中性子、X線、電子線から見た金属中の転位運動、転位増殖 | |
佐藤成男(茨城大) | ||
13:50-14:30 | マルチプローブによる非破壊測定を活用したアルミニウム合金のスポール破壊評価の試み | |
川合伸明(防衛大) | ||
14:30-14:45 | 休憩 | |
14:45-15:25 | 放射光を用いた時間分解計測による金属破壊メカニズムの解明 | |
丹羽尉博(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所) | ||
15:25-16:05 | 時間分解X線回折法を使った衝撃波による金属組織微細化過程の直接観測 | |
一柳光平(高輝度光科学研究センター) | ||
16:05-16:30 | 総合討論 |