ヴィルヘルム・レントゲンが1895年に初めてX線を使った写真を撮影してから今年で130年が経過し、今やレントゲン写真は欠かすことの出来ないツールとなっている。その後、1972年にはゴッドフリー・ハウンズフィールドによるX線CTの発明により深さ方向という新たな次元情報が付与され、任意の断面像が取得可能になるなどデータの質における大きな変革が達成された。以降もX線CTは測定技術の進歩に伴う測定時間の短縮や解像度の向上など着実な進歩が続けられる一方、X線とは相互作用が異なるプローブや透過率とは異なる感度を利用した手法を組み合わせた様々な3次元イメージング法が開発されており、測定可能な物理量に関しても広がりを見せている。本研究会では、3次元イメージングの中でも、特に量子ビームを用いたイメージング法に着目し、最先端の計測手法によってどのような測定が可能であるか、専門家の先生方に実用例を交えてご紹介いただくと共に、原理の異なる技術同士の情報交換を行うことにより、それらを相補利用することによる多面的なマルチプローブ測定の推進と新たな測定手法の発見に繋がるアイディア創出の場となることを目指す。