CIQuS

#02 マルチプローブを用いたソフト界面分析プラットフォーム

プロジェクトリーダー:
山田 悟史

異種の物質が接する表面・界面は化学反応が生じる場であると共に、物質間の相互作用や対称性の破れなどに起因した特異な振る舞いを示す。このような特殊性は学術的に興味深いことはもちろん、そのメカニズムを理解し、かつ制御できれば、表面・界面を利用した各種デバイスの性能向上に繋がると期待できる。ただし、これらを構成する化学種の組み合わせは多様であり、機能と関連する物理量もまた多様であるため、観測量を機能と結びつけるためには、これらの多様な要素同士の関係をそれぞれ弁別することが求められる。しかし、その組み合わせの数は膨大かつ多面的であり、一つの手法を突き詰めるだけでそのような離れ業を成し遂げるのは困難である。

上記の背景を踏まえ、本テーマでは既存の先端手法をさらに深める垂直思考的な発想ではなく、既存の先端手法を水平思考的に組み合わせる「ソフト界面分析プラットフォーム」を提案する。この方法では、対象となる界面(特に有機物で構成されるソフト界面)を量子ビームを用いた先端計測を中心に多面評価するマルチプローブ測定を実施し、構造、組成、化学状態といった機能発現に直接つながる情報を含むデータセットを取得する。しかし、それぞれの実験手法で得られたデータについて結果の整合性をとるのは困難であるため、各種マクロ測定などを組み合わせることにより「真の解」の選別を行う手法を開発し、その組み合わせに応じた解析法を広く情報共有するためのプラットフォームを構築する。

主要メンバー(KEK物構研)

山田 悟史,阿部 仁,雨宮 健太

連携メンバー

羽合 孝文(CROSS)
根本 文也(防衛大)
荒木 暢(分子研)
山本 勝宏(名工大)
犬束 学(AIST)
盛満 裕真(九州大)
山岡 賢司(大阪大)

主な手法

X線/中性子反射率, 深さ分解XAFS, 斜入射X線/中性子小角散乱, 量子ビーム以外の各種測定