CMRC 構造物性研究センター

KEK

構造物性セミナー(第1回)

平成28年7月7日(木)14:00-16:00
高エネルギー加速器研究機構つくばキャンパス4号館1階セミナーホール

「超伝導の最近の進展」
青木秀夫(東大理学系・産総研)

要旨:最近でも様々に発展している超伝導をoverviewする。 先ず物質としては、高温超伝導銅酸化物は、最近高圧下でゼロ抵抗と して観測されたようにTcは150Kを超えるが、相図については未だに 混沌としている。鉄系超伝導は様々なファミリーがあり、100K程度の Tcをもつ単原子層も報告されており、多彩な相図が議論されている。 軽元素系超伝導体では、硫化水素において最近超高圧下でTcが200Kを 超えたが、従来型超伝導とされる。グラフェンでも超伝導が観測されて いる。非平衡(レーザー照射下)では10 ps程度では室温超伝導も報告 されている。理論としては、電子間多体相互作用による非従来型超伝導 という描像はおおむね確立しているが、電子相関をより正しく扱う 方法論の開発もふくめて、進展が続いている。トポロジカル超伝導、 ボソン交換機構を超えた機構、非平衡超伝導機構などのエキゾチックな 超伝導についても触れる。