CMRC 構造物性研究センター

KEK

構造物性ユーザーグループミーティング開催報告

ユーザーグループ代表 野田幸男

 熊本大学黒髭キャンパスでの日本物理学会 2009年秋季大会に合わせて、恒例の構造物性ユーザーグループミーティングを開催した。前回のミーティングで、食べ物屋での議論だけでなく、落ち着いて議論できる場を作る方が良いということとなった。そこで今回は、物理学会のインフォーマルミーティングとして第1部を開催し、その後、第2部としてこれまでどおり食事をしながらの話し合いを行った。初めての物理学会会場でのインフォーマルミーティングであったが、第1部に42名もの方が集まり、大いに議論が盛り上がった。構造物性研究センターが立ち上がったこと、J-PARCも本格的に稼働したもあり、これまでの「PF構造物性ユーザーグループを中心として、SPring-8、中性子からの報告」というスタイルを取り払い、J-PARCの中性子・ミュオンを巻き込んだ構造物性グループのミーティングを目指して開催した。多数の方から最初の IMで報告を行ってもらうことが出来て大変盛況であった。

<構造物性グループインフォーマルミーティング-1->
 日時: 2009年9月26日 (土) 17:30-19:10
 場所: 物理学会 RK会場
 議題: 施設報告【PF, PF-AR, J-PARC, JRR-3, SPring-8】

1. 挨拶
最初に、PFの構造物性ユーザーグループ野田世話人(東北大学)から、この構造物性グループミーティングの発足の昔話から、今回、物理学会の会場でインフォーマルミーティングをすることになった経緯が紹介された。

野田世話人
【挨拶する野田世話人】

2. 施設報告
(a)ミュオン
KEK門野氏より、J-PARCで建設されたミューオン施設について紹介頂いた。超低速ミューオンの装置は予算措置がないために立ち上げられていないが世界的にみてここでしか出来ない実験ができるので、ぜひ立ち上げたいという説明があった。

(b)中性子【1】
JAEAの新井氏より、J-PARCの加速器の状況から、MLFの装置群の建設状況の説明があった。 最近の成果として、高効率の非弾性散乱実験を実現する多重E測定の実証実験を紹介頂いた。また、共同利用の応募状況、今後の共同利用の在り方などの紹介もあった。

(c) 中性子【2】
KEKの瀬戸氏より、KEKのJ-PARCでの4つ装置の紹介があった。高分解能粉末回折装置(HRPD), 全散乱装置(NOVA),反射率測定装置(ARISA)、高分解能チョッパー (HRC) それぞれ、今後共同利用として使えるようになるので、積極的に利用してほしいとの話をしていただいた。また、J-PARC全体の共同利用の体制をどうする かが、議論の対象となりユーザーにとって良い体制を作ろうとしていることが議論された。 最後に、構造物性ユーザーグループの方の積極的なJ-PARC利用のために施設の装置を紹介するパンフレットを皆に配る事となった。
関心のある方は、http://j-parc.jp/MatLife/ja/administrative/files/mlf.pdfより、パンフレットを見てください。
(J-PARC物質・生命科学実験施設のHPはこちら)

(d) 放射光【KEK】
KEKの中尾(裕)氏よりPF, PF-AR で構造物性ユーザグループで利用する装置群として、 BL-4C:4軸回折計、BL-3A:4軸回折,2軸回折計+超伝導マグネット、BL-8A,8B: イメージングプレート回折計、BL-16A: 共鳴X線散乱実験用軟X線2軸回折装置、AR-NE5: 高温・高圧下X線回折装置が紹介された。 それぞれの装置の特徴、アクセサリーとして何がありどんな実験が可能なのかが説明された。

(e) 中性子【3】
東北大学の野田氏より、J-PARC SHRPDのS課題が立ち上がったことや現在の回折計の性能を具体的に説明頂いた。また、JRR-3Mに設置された4軸回折計FONDERのオプションとして大型湾曲2次元中性子検出器の導入の話が進んでいることが報告された。

3. 構造物性研究センターについて
KEK物構研の構造物性研究センター(CMRC)について、センター長の村上氏よりCMRCの組織図を用いながら強相関電子系、表面・界面系、極限環境下物質系、ソフトマター系を4つを重要なテーマとし、それぞれグループリーダーの元に研究を行うことが紹介された。さらに、それぞれのテーマごとに立ち上げられた5つの研究プロジェクトに関して説明がなされた。また、センターでの研究は、外部の大学・研究所等との密接な連携が重要であること、最近の筑波大学との連携についてなど、説明された。

 最後に、次回の構造物性ユーザーミーティングを物理学会3日目 3/22(月)に開催することを決定し、ミーティング第1部を終了した。

 ほぼ、貸切状態のバスで会場を移動し、引き続き、いつものスタイルで食事を取りながらのミーティングを行った。

貸切状態のバス
【貸切状態のバス】

<構造物性グループインフォーマルミーティング-2->
 日時: 9月26日 19:50-22:00
 場所: 海鮮豚屋 憲七百
 参加者:40名程度

1. 新人紹介
恒例により構造物性ユーザーグループミーティングに初めて参加された方々に自己紹介をして頂いた。 特に、物性研の上田氏からは、最近のCr酸化物の研究の 話、さらには若手研究者への注文など、研究会での講演とは違う話を伺うことができ、大変盛り上がった。

2. その他
今回は、大変おめでたいことに、結婚される(た)方が3人も、ミーティングに集まりました。それぞれの方に、結婚の報告をして頂き、皆でお祝いした。

最後に、KEKの下村氏、JAEAの藤井氏からの挨拶を頂き、会を終了した。

【次回の構造物性ユーザーミーティング】は、物理学会3日目 3/22(月)、岡山のおいしいお店を既に予約しております。今回参加された方は次回もぜひご参加下さい。また新しい方の参加も大歓迎です。ぜひ本ミーティングを、皆様の予定に入れておいて頂ければ幸いです。

【参加者一覧】
参加者リスト