サテライト研究会・ユーザーグループミーティング
1.2024年度液体・非晶質研究会
液体・非晶質物質の原子レベルでの機能解明において、量子ビームを用いて構造を明らかにすることは有効な方法ですが、複合材料や多成分液体では構成原子の種類が多くなり、構造解析が困難になってきます。しかし、これら複雑な系においても中性子散乱ではスピンコントラスト変調法や同位体置換法を駆使することにより、特定原子に関する位置情報を引き出すことが可能です。今回の研究会はこれら中性子散乱ならではの測定手法について、基礎から最新の成果までご紹介頂きます。さらに、物質中の電子状態について詳細な情報が得られる軟X線分光、光学ガラスやイオン伝導ガラスなど高い機能を有する非晶質材料の構造解析について、それぞれの第一線でご活躍されておられる専門家の方々にご講演いただきます。
また、本研究会では、毎回、J-PARC MLF装置を紹介しておりますが、今回は偏極中性子散乱研究に特化した非弾性散乱装置POLANOを取り上げます。液体のダイナミクスについて、偏極中性子の利用によって明らかにされる新たな情報についてご講演いただきます。