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Belle II 測定器で使用する中央飛跡検出器(Central Drift Chamber; CDC)は、2015年01月21日(水)にKEKつくばキャンパス内の富士実験棟から筑波実験棟へと搬送されました。

中央飛跡検出器のワイヤー張り作業は富士実験棟B4フロアに設置されたクリーンルームの中で行われていました。 この作業は2012年の12月から始まり、2014年01月14日に全56,576本の最後の1本が張られ、約1年を経て遂に完了しました。 作業完了後は、検出器内部にヘリウムガスを満たすためのガスリークチェック(気体が漏れないかの確認)や、検出器前方側への56,576本のケーブルの取り付け、高圧試験などさまざまな確認作業が行われていました。

今回の搬送作業は、クレーン作業や移動中の振動で検出器内に張られたワイヤーが切れてしまわないよう、とても慎重に行われました。 特に富士実験棟から筑波実験棟の移動にはサスペンション付きのトラックが使用され、移動速度も人が歩くくらいのゆっくりとしたペースでした。 夕方には一瞬雪がちらつくような寒い日でしたが、作業は予定通り順調に進み、トラブルなく完了しました。

今後は筑波実験棟のクリーンルーム内で、残った片側へのケーブル取り付けや、読み出しエレクトロニクスの取り付けを行い検出器を完成させます。そして、宇宙線を使って性能評価などの確認を行い、2016年にBelle II 測定器にインストールされる予定です。

富士実験棟からの搬出・筑波実験棟への搬入の様子

富士実験棟B4フロアのクリーンルームから運びだされるCDC検出器
B4フロアから地上への搬出には天井に据え付けられたクレーンを使います
トラックの背中に載せ、富士実験棟から筑波実験棟まで向かいます
筑波実験棟でも天井のクレーンを使って、地上からB4へと降ろします
B4に降ろされたCDCを可動ステージでフロアまで移動しました。奥の方(人がいる辺り)にCDCをサポートする台も一緒に乗っています
先に可動ステージからB4フロアに降ろしておいたサポート台の上にCDCをクレーンで吊って乗せました。サポート台にはボールキャスターが付いていて、人力で押してクリーンルームまで移動させます
筑波実験棟B4フロアのクリーンルーム内に設置されたCDC検出器

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