活動報告

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一次陽子ビームグループが2019年3月の活動報告を行いました。

一次陽子ビームグループはJ-PARC(大強度陽子加速器施設)にあるハドロン実験施設の建設・運営・機能強化の中心を担っているグループです。J-PARCではリニアック、3GeVシンクロトロンの2つの加速器を経て加速した陽子をさらに主リングで30GeVまで加速し、一次陽子ビームを生成します。生成された一次陽子ビームはハドロン実験施設で二次粒子生成標的に照射され、そこで生じたパイ中間子やK中間子が複数のビームラインに導かれて様々な実験が行われています。

今回の報告では、遅い取り出しビームによる実験の現状報告がなされました。J-PARC主リングで作られるビームには、遅い取り出しビームと速い取り出しビームの2種類があります。速い取り出しビームは、加速された陽子が主リングを一周する間(約5マイクロ秒)にそれらを一度に全て取り出してしまうビームです。一方遅い取り出しビームは、加速された陽子を主リングを何周も周る間に約2秒の時間をかけて少しずつ取り出すビームです。報告によると、今年の2月8日から始まった遅い取り出しビームによる実験は順調に進んでおり、4月25日まで実験は続くとのことです。

また、陽子ビーム強度約90kWに対応した次期の生成標的(金)も製作中です。現在は約57kWに対応していますが、約90kWに対応するとK中間子などの二次粒子ビーム強度も同様に大きくなり、さらに精密な実験を行えるようになります。次期標的は今年の夏季からのメンテナンス期間で交換予定です。

高運動量(high-p)ビームラインとhigh-p実験エリアも建設が進んでいます。high-pビームラインの目的は2つあります。1つ目は、high-p実験エリアでの実験のために比較的弱い強度である109-1010 ppp(particles per pulse、強度を表す単位)程度の30GeVの1次陽子ビームを作り出すことです。2つ目は、南実験棟で行われるCOMETのために、8GeVの大強度ビームを作り出すことです。high-pビームラインは2020年1月頃の完成予定です。

詳しくはこちらをどうぞ。

一次陽子ビームグループ