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季節で見るKEK 2006.11.30 |
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〜 秋深し 〜 |
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KEKは、筑波研究学園都市の北端の広大な敷地に位置しています。最先端の研究設備が整えられ、研究者が日夜研究に励んでいるその一方で、敷地内にはたくさんの自然が存在し、四季折々の風景を楽しませてくれます。今回は、そんなKEKの深まりゆく秋をお届けします。 東大通り沿いの正門 学園東大通り(ひがしおおどおり)は、日本の道百選にも選ばれている、筑波研究学園都市を南北に貫く幹線道路です(写真1)。道沿いにはトウカエデの木が立ち並び、初夏の頃には新緑が、秋には木々の色付きがとても綺麗です。そんな道を筑波山を望みながら北上すると、左手にKEKの正門が現れます。 正門からコミュニケーションプラザに 正門から続く道沿いにはもみじが植えられ、10月の終わり頃から徐々に色付き始めます。毎朝の通勤時に、緑色のもみじが木の上の方から段々に色づく様子にふと気づくと、今年も秋が深まりつつあることを感じます(写真2)。 正門から歩いて3分、KEKコミュニケーションプラザのある研究本館前には、枝振りの立派さが評判のけやきの木があります(写真3)。夏には颯爽と緑をそよがせているけやきの木も、この季節には葉の色を黄色に変えながらはらはらと風に舞わせ、しみじみとした趣きを見せてくれます。この木は今年の11月始めに剪定され、さっぱりと若返りました。 東大通りをドライブしながらちょっと寄り道でKEKに。正門からのもみじをながめながら脇の小道を散策し、けやきを見上げてKEKコミュニケーションプラザで研究の一端に触れる。そんなひと時で今年の秋を締めくくってみてはいかがですか。(KEKコミュニケーションプラザは、平日の午前9時30分〜午後4時30分開場です。) リニアックのいちょう並木 宇宙誕生の謎にせまるBファクトリーのリングや、物質の構造を解き明かす放射光のリングに、電子や陽電子を入射する直線型加速器(リニアック)が収められた建物沿いには、いちょうの木が植えられ、秋も押し詰まった頃に黄色く色づきます。(写真4)。日に照らされてあたたかく光るいちょうや独特な香りを放つぎんなんの実は、様々な場面で日本の秋を装う代表的な風物です。そんな中でもリニアックのいちょうは、電子が光の速さの99.999...%まで加速される最先端装置の傍らで、今年も見事な彩りを見せています。 Bファクトリーのすすき野 Bファクトリーリングの周辺には、すすきが多く棲息している地域があります(写真5)。お月見のお供えに風情を添える数本のすすきは、はかない情緒をさりげなく醸し出しますが、ここのすすきはまさに「群生」。秋の日差しに透けて白く光るすすきの穂の群れは、さながら野の海原といった眺めです。写真の奥に見えるのはBファクトリー筑波実験棟。すすきの穂の海の底では、BELLE測定器が電子と陽電子の出会いを静かに見守っています。 また、このすすきは枯れ始める頃に刈り取られ、茅葺き屋根の良質な材料となります。そのことが世に知られるようになったのは3年前。以来、石岡市八郷地区の茅葺き屋根保存会による茅刈りは、晩秋のKEKの新しい風景となりました。 まつの『こも巻き』 KEKの敷地にはあかまつも多く棲息しています。このあかまつを冬の間病害虫から守るのがこも巻き(写真6)。これは、マツカレハの幼虫などが冬の寒さをしのぐためにわらでできたむしろ「こも」にもぐりこむ性質を利用した、昔からの日本の知恵です。KEKのあかまつにもこの時期、幹の地上1.5メートルの高さに一様に巻きつけられたこもを見ることが出来ます。華やかな秋の裏では冬支度も着々と進められます。 その他にも敷地内を散策してみると、さまざまな秋の表情に出会うことができます。くりやどんぐり、赤とんぼ、夕暮れに耳を澄ませば鈴虫の音などなど。忙しい研究所にも世間並みの秋が訪れています。
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