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科学で遊ぼう 2007.7.26 |
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〜 つくばエキスポセンターでの催し 〜 |
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夏も盛りを迎えていますが、皆様いかがお過ごしでしょう。学校に通う皆さんは、今週から夏休みでしょうか。KEKコミュニケーションプラザにも、お父さんやお母さんに連れられて遊びに来る小学生の姿が増えてきました。ご家庭においては、夏休みの宿題を親子で取り組む、そんな場面は今も昔も変わらぬ夏の風景でしょうか。KEKでは、夏休みが始まるこの時期に合わせて、つくばエキスポセンターと協力して、科学を体感してもらうイベントを企画しました。「今年の夏休みの自由研究は何にしよう?」、関東近辺にお住まいで、そんな悩みをお持ちの方には是非参加していただきたい企画です。 地域との交流を大切に つくばエキスポセンターでは、周辺にある数多くの研究所の研究者や地域の住民とのつながりを大切にしています。KEKでもつくばエキスポセンターのご厚意により、6月2日から9月2日まで「研究所紹介コーナー」でパソコンクイズやビデオ上映、実験装置の実物展示などを行っています。 「研究者と地域とのつながりを活発にしたい」と語るつくばエキスポセンターの餅田円さんは、昨年のKEKの一般公開をヒントに今回の企画を温めてこられたそうです。 「子供の頃から、磁石や電気の力のように遠く離れても働く力に心惹かれていました。」と語る餅田さん。「KEKの研究者の皆さんが作る科学おもちゃは独創的で、『つくばエキスポセンターでもぜひ紹介したい』と考えていました」とのことです。子供達と一緒になって活き活きと活躍する様子は本当に楽しそうです。 今回のイベントの開催日は、7月29日と8月5日、いずれも日曜日で、場所はTXつくば駅の近くにあるつくばエキスポセンターです。実は先週末の7月22日に第1回を開催しましたので、その時の様子を交えながら、その内容をご紹介しましょう。 ワークショップ 霧箱教室 「霧箱(きりばこ)」というちょっとした装置を製作して、放射線の飛ぶ様子(飛跡)を捕らえます。透明なタッパー容器にアルコールを浸したスポンジとランタンの芯(マントル)を入れ、ドライアイスで冷やしていきます。すると、マントルから出る放射線の通った跡が冷えたアルコールの蒸気を霧に変えるので目に見えるようになります。澄んだ青空の中を飛ぶ飛行機の通った跡が飛行機雲になるのと同じような原理です。 放射線は、例えば地面の中からしみだしてくるラドンから発生していたり、ミューオンというような宇宙線が絶えず地上に降り注いでいたりと、私たちの身の周りにも常に存在していますが、目で見ることも、音を聞くことも、肌で感じることもありません。その放射線が、手のひらに乗る大きさの霧箱で目に見えるようになると、参加した子どもたちからは、「あ、見えた!」など、感動の声が上がっていました。 次回の霧箱教室は、8月5日(日)の午後1時からと3時からの2回、つくばエキスポセンター2階の多目的ホールで開催します。各回、先着20名様です。 ワークショップ 「加速器ってなぁに?」 電極に高い電圧を加えて電子を飛び出させる“加速器”「クルックス管」や、磁場と電流の相互作用を実験する「電磁気力実験器」を使って、加速器の初歩を解説します。加速器が決して縁遠いものではなく、意外と身近な科学の原理にしたがっていることがお分かりいただければと思います。この企画は7月29日(日)の午後1時からと午後3時からの2回、開催されます。つくばエキスポセンター・エントランスホールでお待ちしています。各回、先着10名様です。 実験コーナー KEKで行われている研究・実験・開発に関係する科学の原理を、科学おもちゃを使って身近に感じてもらうコーナーです。 科学おもちゃ その1 : 超伝導コースター 超伝導体で作った円盤を液体窒素で冷やして、永久磁石を並べて作ったコースの上を滑走させます。すると、超伝導体はコースからわずかに浮上したままの状態で、急カーブや急旋回をしながらも、コースから外れることなくゴールまで勢いよくたどりつきます。これは、コースの磁石が作り出す磁力線のパターンを超伝導体が記憶し、そのパターンが一定になるように滑走するので、コース上での左右の位置と浮上の間隔が一定に保たれるからです。難しい理屈はさておき、スピード感とダイナミックさが溢れるこの不思議な超伝導の世界、子供達には大人気です。 科学おもちゃ その2 : 電磁サーキット 加速器のイメージをつかんでもらう科学おもちゃです。鉄球をコイルの磁場で加速して、円形のレールの中をぐるぐると周回させます。コイルに電流を流すタイミングがずれると鉄球がうまく加速されません。本物の加速器では、磁場ではなく電場によって粒子を加速しますが、電場の電極が入れ替わるタイミングがとても重要になります。 タイミングよく操作できると、鉄球はスピードに乗ってレールの中を勢いよく周ります。加速器を動かすイメージを体験できるこの電磁サーキットには、子供のみならず大人も夢中にさせる何かがあるようです。 科学おもちゃ その3 : 素粒子パチンコ パチンコ玉を粒子に見立てて、衝突実験を模擬体験するおもちゃです。目に見えない小さな世界を探るには、粒子を加速して標的にぶつけます。衝突点の形は目には見えませんが、ぶつかって飛び散った粒子の軌跡を詳しく調べると、衝突点がどのようになっていたのかがわかります。これを机上に再現したものが素粒子パチンコです。 このおもちゃではパチンコ玉を斜面で転がして加速させ、標的にぶつけます。この時、標的は見えないように隠しておきます。半円形や三角や四角などいろいろな種類の標的の中から、今目の前にあるのはどの標的かを、パチンコ玉をぶつけてその跳ね返ってくる様子から推測します。 目に見えないほど小さいミクロの世界を探る実験の一端をこのゲームを通して体験することができます。 この他にも、ちょっとした理科の実験道具などを揃えている「実験コーナー」は、7月29日、8月5日につくばエキスポセンター・エントランスホールにて自由に参加していただけます。 鈴木厚人機構長の講演会も 7月29日の午後2時から3時まで、KEKの鈴木厚人機構長の講演会が行われます。「謎の素粒子ニュートリノ」と題して、同氏がこれまで取り組んできたニュートリノ研究の経験や、KEKで行われている加速器を使ったニュートリノの研究について、インタビュー形式にて紹介します。構えずに気軽に参加していただきたい、そんな講演会です。 講演会の申し込みは以下から受け付けています。 http://www.expocenter.or.jp/event/event_koenkai.html
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